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Posted by - 2025.06.18,Wed
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Posted by なぎさ - 2009.05.12,Tue
手榴弾が飛んでくる方とは逆に首をひねれば、額に炎を灯したジョットと、その真後ろに隼の姿…
その隼が何かを投げた直後だったと気づいたその瞬間には、手榴弾は空中でその小刀によって真っ二つにされていた。
それとほぼ同時に髀子の前に飛び込んできたジョットから、自分のようなまやかしではない、純粋な炎の壁が一瞬で創造される。爆発と衝撃波はすべてその炎で相殺、いや、炎はそれを押し返して反対側へ爆風を引き起こしていた。
あまりの光に目がチカチカするのを堪えて、髀子は自分を庇うように立つジョットを見上げた。

・・・来てくれた。
こうも、ピンチの真っ直中に。
なんとなく、都合のよすぎるタイミングで。

少しだけ胸の内が熱くなるような錯覚に襲われる。
錯覚?
本当に?

嬉しいけど、悔しい。
助けられて、しまった。

炎がおさまるとすぐにジョットが余裕のない表情でこちらにしゃがみこんできた。
「髀子ちゃん平気!?怪我とかない!?」

優しい。
だから余計に悔しい。
嫌だ。

「・・・・・助けてなんて・・頼んでないけど・・・」
「や?助けて欲しそうだったから・・・」
「・・・っ!」
思わず苦笑が漏れたジョットに、ばつが悪そうに顔を背けた髀子の顔にほのかに差す朱。
しかし、ジョットがそれに気づくことはなかった。何故ならば・・・
「ちょっ、髀子ちゃん怪我してるじゃん、顔!!」
超がつくほどの重大問題に気づいてしまったから。
先ほどの銃がかすったときの、頬の傷。
「泰夫!」
噛みつかんばかりにこちらを睨んできたジョットに、泰夫が一瞬たじろぐ。そんなこと言われてもどうしようもない。
自分は後衛。遠距離向け。即座の攻撃に対応するのは苦手中の苦手だ。実際式神を作るのにも最低2秒はいるのだ。
「・・・それくらいの傷すぐ治りますよ」
理不尽に責められる泰夫と一気に機嫌を損ねたジョットに、些か呆れ気味の隼の声が後ろから割り込む。
先ほど手榴弾を真っ二つにした、近距離と遠距離両用の張本人。
「それに・・・」
隼はジョットのそばにまでいくと、そっとジョットの頬に手を触れた。
「僕は君の顔に傷がつかないかのほうが心配です」
「いちいち気色悪いんだっておまえは!」
青ざめて隼の手を振り払うジョット。
目に見えて視線が冷たくなる髀子。
泰夫はいつもの日常すぎるその光景にひとりそっとため息をついた。

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Posted by なぎさ - 2009.05.11,Mon

ほんの少し時を遡って南舎2階。

「どいて!」
髀子の三叉槍が敵をなぎ払う。
髀子を援護しつつここまで走ってきた泰夫だったが、不意に後ろを振り返って息を飲んだ。いつの間にか・・・隼がいない・・・
いつからいなかった・・・?
3階の階段を降りたときは確かにいたはずだが・・・必死すぎて全然気づかなかった。
隼のことだからやられた、なんてことはないと確信できるが・・・
「見てきて」
ぽそりと呟くと、泰夫の背から一匹の狼が走行方向とは反対に飛び出す。泰夫の式神。狼はすぐに校舎の奥へと吸い込まれて行った。
どうやらこの校舎内にはいるらしい。
「髀子、隼いないんだけど・・・」
「知らない」
少し控えめに声をかけてみれば、明らかに不機嫌そうな声で返事が返ってくる。まぁ、どっちにしろ協力なんてできる間柄ではないし、髀子にとっては隼がいろうといなかろうとどうでもいいことだろう。
自分もどちらかと言うと一人で動きたいタイプだが・・・
髀子に何かあったらジョットに殺されそうな気がする・・・
「髀子、前の階段から敵5人」
「っ!」
すぐに三叉槍を構え直した髀子が階段がある右斜め前方に三叉槍の切っ先を向ける。銃を構えた敵は階段を登り切ると同時に、髀子の創造した夥しい数の蓮のツルによって階段に押し戻された。押し戻されるというより吹っ飛ばされたという表現のほうが合っているかもしれない。敵はまとめて階段の下へと転げ落ちていった。
「・・・容赦ないね」
「殺してない」
打ち所が悪ければ死ぬかもしれない勢いだが、髀子はたいして気にする様子もなく、気絶している敵には目もくれずに階段を降りる。泰夫はちらりと後方を振り返った。
振り返った途端ふわりと肩に飛び乗る、狼。
「早かったね」
頭を撫でてやりながら、「で?」と首を傾げれば、狼は首を後方へと向けた。その瞬間、
ガシャーーーーーンッッッ
ガラスが割れる音が泰夫の耳にまで届いた。
「・・・あれ?」
眉根を寄せて狼を見れば、その式神は役割は果たしたとばかりに跡形もなく消えてしまった。
「ねぇ、もも・・」
「・・・援護お願い」
「っ!」
階段を降りきった1階。そこには20人ほどの銃を構えた敵が待ちかまえていた。
「・・・これまたたくさん・・」
眉をひそめた泰夫の手には十枚ほどの式神の札。泰夫がそれに息を吹きかければ、命を与えられたそれは狼となって敵の方へ飛びかかっていった。
先陣を切って突っ込んだ狼を確認した髀子の瞼が降ろされる。そして再び目を開けたときにはその深紅の眼球には「四」の文字が浮かんでいた。
「巡ればいい・・・」
そう呟くのと同時に足を踏み出す。修羅道。
もはや手加減する気などなかった。敵の攻撃を受けた狼が紙に戻るのと同時に髀子の三叉槍がその敵の肩口から脇腹までを何の躊躇いもなく切り裂く。そのあまりのスピードと威力に唖然とする別の敵には、振り返りもせずに得物の槍とは反対側の先を突き出し、それを鳩尾に深々と食い込ませる。
あまりの衝撃に言葉も口に出せずに倒れた敵をさらに片足で蹴飛ばすと、髀子は三叉槍を頭上に振り上げた。一瞬で髀子の目に浮かぶ文字が変わる。真横に一線、「一」と。
再び三叉槍が地面へと突き立てられた次の瞬間、床から敵に向かって勢いよく火柱が上がった。
「うっ、うわあぁぁああぁああっっ!!!!」
目の前に迫り来る紅蓮の炎に敵ががむしゃらに発砲する。もはや完全に髀子の幻覚に惑わされ、正気を失っていた。
頬をその敵が撃った弾丸がかすめて、髀子は小さく舌打ちした。白い頬に赤い線が走る。
敵味方関係なく発砲し続けるその敵に、幻覚を使うのはまずかったと今更になって思うが、使ってしまったものはしょうがない。髀子は床に伏せるとそのまま横に転がって廊下の壁へと身を寄せた。
「あーあ・・・どうするの髀子。こいつら馬鹿だよ。」
少し向こうに相変わらず緊張感のない顔をしてこちらを見る泰夫の姿があった。こちらもしゃがんで壁に引っ付いている。ただ、狼が泰夫を守るように群がっていたが。
「ほら、手榴弾とか取り出して・・・・・え?」
さすがの泰夫も敵の一人が手榴弾を取り出したのを見て顔を強ばらせた。こんな狭い廊下で手榴弾などを爆発させたら・・・
「やめっ・・」
髀子の叫びもむなしく、ピンを抜かれた手榴弾はまっすぐこちらに向かって放られた。
避けられない・・・よしんば弾き返せたとして、それが爆発するのは・・・

”無理・・・!”

次に来る衝撃を覚悟して目を堅く瞑った髀子だったが、
「髀子ちゃん!!」
自分を呼ぶ声にハッと目を見開いた。
聞き間違えるはずがない、この声は…

「家康・・・くん?」

Posted by なぎさ - 2009.05.10,Sun
「ど…して…」
「クフフ…ずいぶん欲求不満みたいですねぇ…」
「…っ!」
こちらにゆっくりと歩み寄ってくる骸から逃げるように、一歩一歩後退る。しかし、すぐに背中がフェンスにぶつかってしまい後退も出来なくなる。骸とフェンスに挟まれて、身動きが取れなくなる。
「な…何しに…」
「決まってるでしょう?殺しに来たんですよ、彼をね。今までだって殺そうと思えばいつでも殺せた。君が彼を守ろうと、結果は何も変わらないんですよ」
「殺させない…殺させないよ…」
その冷たい瞳に見つめられて、背筋がゾクゾクする。目をそらしたいのに、その宝石のように鮮やかな血と海に引き込まれてしまったようにかなわない。頬に触れてくるその冷たい手も振り払えない。
…骸を前にすると、自分には何の力もないのだと思い知らされる。所詮自分は骸の人形。でも…人形にだって、許せないことはある。
「駄目…骸は…おまえだ」
泣きそうな顔で骸を見つめる。
しかし綱吉がそう呟いた瞬間、骸の手が綱吉の口を乱暴に塞いだ。片手で綱吉の両頬を捕らえつつ口を塞いだ骸からは、先ほどの作り笑顔は消えていた。
それは、言ってはいけない言葉だった。
「アレは僕ではない」
無表情に見下ろしてくる骸に必死で首を振る。違う、あれは、骸。そして、おまえも、骸。そう口に出したいのに、口を塞がれていてはそれもかなわない。
「おとなしく僕の元に帰って来るのなら許してあげるつもりでしたけどねぇ…」
目だけで否定を唱える綱吉を無表情で見ていた骸だったが、不意にその綱吉の口を塞いでいた片手をその華奢な首へと移動させた。その首筋を撫でるようにして、手に少しだけ力を込める。綱吉からひっと声が漏れたのを聞くと、その口元はニヤリとつり上がった。笑ったままの口をそのまま綱吉の首筋へともっていく。
「あんまり反抗するって言うなら、今ココで血、吸い尽くしちゃいますよ?」
冗談ではないと示すかのように、骸はその牙を綱吉の首筋に立てる。綱吉がビクリと震えたその瞬間、骸の牙は綱吉に食い込んでいた。
「あっ、ああぁあああぁあああっっっ!!!」

〝なくなる!なくなる!なくなる!〝

首筋の痛みとともに身体から力が抜けていく感覚。全てが奪われていく感覚。恐怖、そして絶望。
絶叫する綱吉から口を離すと、骸はゆっくりと綱吉の首元がら顔を上げた。呆れたように、しかし明らかに楽しそうに綱吉の頬をつうと撫でる。
「そんなに採ってません。大袈裟ですね」
顔を真っ青にしてぜぇぜぇ荒い呼吸を繰り返す綱吉を、骸は愛おしげに眺めた。
「ほら、欲しくなったでしょう?あげますよ」

Posted by なぎさ - 2009.05.08,Fri
わ、わはーい!!
学校からこんにちわです!(待て)

えとですね!えとですね!
マイゴッド、カナデさんからムクツナ小説をいただいてしまったのですよ!!
嬉しすぎたのでとりあえずブログにアップさせてもらいます!了承ありがとうございました!

えと!なんとまぁ、例のコピ本のお礼ということで…!(ガクブル)
むしろなぎさのほうがありがとうですよ!!
い、いいのかなぁこんな素敵文をいただいてしまって…///

先生な綱吉と生徒な骸さんですよ!必見です…!
Posted by なぎさ - 2009.04.29,Wed
「綱吉!ね、見てみて!これ俺が作ったんだ~!骸にあげよっかな~なんて思ってるんだけど…前に俺の手作り欲しいとか言ってたし…」
「ん?あ、あぁ…喜ぶんじゃないか?ツナ」

同じ顔をした男女が向かい合って話をしている。
照れくさそうにはにかむ少女とは対照に、少年のほうは少女が嬉々として見せてくる真っ黒な物体に少々顔が引きつっている。


二人は双子。

この国、ボンゴレ王国の王子様とお姫様である。






『なんていうかボツな感じの双子パラレル☆』








「こ、これは…」

正午を過ぎたうららかなひととき。
城の庭には春らしい色とりどりの花が咲き乱れ、蝶々があちらこちらで舞っている。
外はぽかぽかと暖かくて、まさに絶好のお茶会日和といえよう。現に花に囲まれた芝生の一角では、テーブルの上にお菓子や紅茶が準備されていた。

そんなのどかな空気に似合わず一人青ざめているのは、

「い、いらなかったらいいんだけど…」
「いえ!そんなことはないです!ありがとうございます、すごく嬉しいです…!」

双子の護衛役の一人、六道骸。

何故その骸が青ざめているのかといえば、理由は言わずもがな、先ほど少女、ツナが作った黒い物体である。
彼女いわく、クッキー。見た目、焦げの塊。
ツナは失敗した自覚はあるらしく、ちょっと焦げちゃったけど…と申し訳なさそうに目を伏せながらそれを差し出してくる。骸にしてみればちょっとどころではないのだが、想い人、ツナを前にそんなこと言えるはずもない。
しかも兄、綱吉から拒否ったら殺す…!的な視線を感じなくもない。
冷や汗が背中を伝う。

「い、いただき、ます…!」

決死の覚悟でそれを取れば、手にぴりぴりと電流のようなしびれが走る。なぜクッキーを触っただけでしびれ…?
ごくりと生唾をのんでそれを凝視すれば、その黒い物体が早く食えやオーラを発しているような錯覚に襲われた。
…怖い。
はっきり言って、怖い。口に入れるのが。
ちらりとツナのほうを見れば、こちらを期待のこもった眼差しで見つめている。

…可愛い。

くりくりした大きな目も、肩にかかるその少し癖のある亜麻色の髪も、派手すぎず控えめすぎずなそのドレスも、すべてが、すべてが可愛い。
思わず顔が緩んでしまうほどだが、今回は如何せん、状況が状況。
自分は試されているのだ。ツナの愛を。

…引き返せない。

「~~~~!!!」

骸はそれを一思いに口に放り込んだ。





***





「つ、綱吉ぃ~~~!!」
「よしよし…」

医務室の前。
綱吉にしがみついて涙を滲ませるツナ。自分と同じ色の亜麻色の長髪を優しく梳いてあげながら、綱吉は小さくため息をついた。
予想通りと言えばその通りなのだが、骸は口に入れた瞬間、倒れた。
只今医務室に運ばれ医者に診てもらっているところだ。

「俺があとで一緒に作り直してやるから。元気だせって。な?」
「綱吉…」

半泣きで綱吉を見てくるツナに、思わずキュンとなる。
ツナは可愛い。
自分と同じ顔だろうと言われればそれまでだが、可愛いものは可愛い。
料理…というか、あらゆることにおいて不器用な妹だが、そこもまた兄心をくすぐられるというか何というか…
まぁ、いわゆる、シスコンというやつなのだろうか。世に言う。


*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o○☆゜¨


まぁ、ここまで書いてなんかしっくりこなかったのでボツにしてしまおうと。
か、書き直します…orz
なんかどうしようもないのでブログにだけアップしときます…

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