Posted by なぎさ - 2011.08.25,Thu
やっとこさ書く気になったらしい^^
うぅん、あと3,4話で終わるのか…終わらせたいけど…
とりあえずどんどん話進めていこうかな~…と。
情景描写?そんなもの知りません^^
なぎさの気まぐれ執筆に付き合ってられん!待っとれん!という方は、続きに少し上げておきますので、もしよろしければどうぞm(__)m
うぅん、あと3,4話で終わるのか…終わらせたいけど…
とりあえずどんどん話進めていこうかな~…と。
情景描写?そんなもの知りません^^
なぎさの気まぐれ執筆に付き合ってられん!待っとれん!という方は、続きに少し上げておきますので、もしよろしければどうぞm(__)m
目を覚ましたら外が明るかった。
こんなことは久しぶりだった。
いつもなら、日が昇るときの、身体が変わるときの痛みとか、いろいろで嫌でも目が覚めていたから。
怖いくらいに気持ちよい朝。
瞼をそっと持ち上げれば、昨晩からずっと一緒だったヒトの顔がすぐそばにあって…
その腕に大事そうに抱かれてた。
彼はとてもあったくて、身体を寄せれば、彼の穏やかな心臓の音が聞こえてきて…
それだけで涙が出そうになっただなんて…
シャワーから止めどなく出てくるお湯が、ぐるぐると渦を巻きながら排水溝へと吸い込まれていく。
しばらくそれをぼんやりと眺めていたが、一つため息をつくとノズルを捻ってお湯を止めた。
このどす黒い感情も、お湯と一緒に流れていけばいいのに。
現実は厳しくて、どれだけお湯をかぶっても何一つ流れない。落ちない。変わらない。
ぽたぽたと、髪から、顎から、腕から、濁ってくれない透明な水滴が落ちていく。
分かっている。
彼が恋い焦がれてやまないのは、もう一人の自分だということは。
あぁ、彼のところに帰りたくない。
でも彼の腕に抱かれたい。
彼が望む自分は本当の自分ではない。
でも自分は本当の自分を望んでいる。
きっと本当の自分を取れば彼は悲しい思いをするだろう。
いや、違う、自分が怖いんだ。彼が離れていくことが。
離れていって欲しくない。近くにいて欲しい。
好きだから、好きでいて欲しい。
これは自分の欲。
あれもこれも全部欲しいなんて、なんて卑しいんだろう。
そう、きっと、はじめから好きになってはいけないヒトだった。
自分を好きにさせては、いけないヒトだった――――――
+Heart第12話
「グリーン……グリーンってば」
「うぅ…ん…」
耳元で自分を呼ぶ声に、グリーンはうっすらと目を開けた。
開けた隙間から朝の日差しが容赦なく差し込んでくる。
しかし瞼が重たい。
身体の疲労感が抜けない。
…完全に寝不足だ。
まだ靄のかかった思考の中で、自分を起こそうとする声をぼんやりと聞く。
それはよく知る声。
でも、昨晩聞いていた声とはまた少し違う声。
「そろそろ起きないと、遅刻するよ?」
「……遅刻って、どこに…」
「そりゃあ学校でしょ」
「あぁ…学校ね………………って、学校!?」
勢いよく身体を起こしたグリーンは、その勢いのまま自分を起こしてくれていた人と至近距離で向き合う形になった。
「うおおぉおおおレッド!?」
「…おはよ」
目を見開くグリーンと、気まずそうに身体を引くレッド。
完全に眠気が吹っ飛んだグリーンは、まじまじとレッドの姿を見た。
少し女らしさの抜けた顔の骨格。
そして昨晩よりも少し低い声。
「…男のほう?」
「ごめんね男で」
咄嗟にグリーンから目をそらして謝ったレッドだが、グリーンは「なんで謝るんだよ」と怪訝そうな顔をする。
そして、昨日攫った時と同じ、シーツにくるまった格好のレッドを見て、グリーンはさらに首をかしげた。
レッドの髪はしっとりと濡れているし、至近距離だった時にはなんだか良い匂いがした。
ということはつまり…
「…シャワー浴びた?」
「うん、ちょっと前に起きたから」
「…なんでまだシーツにくるまってんの?」
「………」
素朴な疑問だったのだが、レッドはみるみる不機嫌そうな顔になっていく。
「…グリーンの服もらってもいいのなら着るけど」
「あ…」
グリーンはすっかり忘れていた。
そういえば、レッドは全裸の状態でここまで着たのだ。
当然、服は、無い。
「…悪い。…で、俺はどうすれば」
「てきとうに服買ってきてくれない?一回家に帰るから…」
レッドがむすっとしたまま答えれば、グリーンは少し考える素振りを見せた後、小さく頷いた。
「制服も家だもんな。でも昨日の今日だし一人じゃ帰らせたくねぇ…俺もついてくからな」
「…ありがとう」
働いているところを知られていたくらいだから、きっとアパートも把握されているのだろう。
しかし居場所を変えるにも、まず荷物をどうにかしなくてはいけない。
要するに、一度帰らなければ何も始まらない。
だけどやはり待ち伏せされていたらと考えると怖いため、レッドにとってグリーンの申し出は正直有り難かった。
不機嫌そうな顔を少し緩めてお礼を言ったレッドに、グリーンもつられて笑うが、ふとレッドのほうをまじまじと眺め出す。
「…?な、なに…」
「や、ホントに男なんだなぁって思って…」
そう言って、グリーンはあろう事かレッドがくるまっているシーツを掴んで下へとずり下げた。
驚愕に目を見開くレッドにはお構いなしに、グリーンは「やっぱ胸ねーな」と興味津々にペタペタと身体を触ってくる。
レッドはあまりの羞恥に声も出ず、口を魚のようにパクパクさせることしか出来ない。
昨晩散々触られた身体だが、今は男の身体である。昨晩とは違う。
男の身体を触られるなんて、めったにないのだ。
文化祭の時にサカキに触られた気もするが、あれは恐怖が勝っていた。今とは状況が違う。
要するに、恥ずかしすぎる。
「や、やめろっ!見るな!触るな!」
やっとの事で非難の声を上げ、段々迫ってくるグリーンの身体を押し返す。
しかしグリーンはけろっとしたもので、不思議そうにレッドのほうをのぞき込んでくる。
「何だよ男同士だろ?別に恥ずかしがることねーじゃん…」
「ふざけるな!男だから恥ずかしいんだろ!?」
真っ赤になった顔を横に反らしながらグリーンの手を払いのけ、じりじりと後退するレッド。
嫌がられるとなんだか余計に構いたくなってしまって、レッドに更に近づこうとするグリーン。
「ぃ、いい加減に…」
「おはようございまーーーーすっ!!!」
「起きてますかぁあぁぁあああ!!??」
いい加減にしろ、と紡がれるはずだったレッドの言葉は、いきなり激しく開けられたドアとともに飛び込んできた声によって見事に遮られた。
「………」
「………」
「………」
「………」
「………えっと…」
「……あの…」
「………」
「………」
「………おはようございます」
「…さっきも聞いた」
「挨拶は一回しかしちゃいけないなんて決まりはないです」
「………」
「………」
「………」
静寂に包まれる部屋。
非常に気まずい空気が流れる中で、レッドだけが一言も発さず、真っ赤なまま小さく震えていた。
見られた。
見られてしまった。
グリーンにつっこみながらも、コトネとヒビキの視線はレッドに釘付けになっている。
当然だ。
だって、昨晩彼らが見たのは…
「……えっと、そちらの方は…」
「おいおまえら!!ノックも無しに入ってくるんじゃねぇよ!」
恐る恐るといった感じに尋ねようとしたヒビキだったが、やっとこさ我に返ったグリーンが叫んだためその質問は遮られた。
それにつられて呆然としていたコトネも、ハッと我に返って応戦し出す。
「何ですか!見られちゃまずいことでもしてたんですか!っていうかグリーンさん裸!?きゃぁあぁああうら若き乙女の前で信じられない!」
「ノックもせずにずかずか人の部屋に入ってくる奴をうら若き乙女とは言わねぇ!」
「なにおぅ!?」
「つーか悲鳴あげるくらいならとっとと出てけよ!」
「っていうか朝から何盛ってんですか信じられない!」
「ちげーよ!」
「信じられない!」
「ちげーって!」
「コ、コトネ、一回出よ…」
止みそうにない言い合いに、ヒビキはコトネの腕を掴んで部屋から引きずり出した。
まだ何か言いたそうにしているコトネをぐいぐい引っ張って、すぐ隣の部屋へと移る。
とりあえず入ったコトネの部屋は、もういつでも出発出来るように荷物がまとめられていた。
ヒビキは混乱した頭のまま簡素なベッドに腰を下ろすと、伺うようにコトネを見る。
「…さっきグリーンさんと一緒にいた人…誰?昨日一緒にいた人はどこ行ったんだろ?」
「や、昨日と同じ人でしょ」
「えっ…でもさっきの人、どう見ても男だった…」
確かに髪型や顔つき、目の色まで非常によく似ていた気がするが、胸があるか無いかは大きな違いである。
はだけた上半身には、昨晩見えた豊満な胸は、全くなかった。
更に困惑顔になったヒビキに、コトネは小さくため息をつくと、鞄の中からバインダーに綴じられた資料を取り出した。
ヒビキが知る限り、コトネの私物にそんなものはない。
首をかしげたヒビキに、コトネはそれをポンポンと軽く叩いた。
「これなーんだ」
「…コトネのじゃないことは分かるけど」
「……何で分かるの?」
「まぁ、付き合い長いし…?」
「ふぅん…?ま、いいや。これ、あの研究施設からもってきた」
「…は!?」
思いもよらない回答に、ヒビキは思わずベッドから立ち上がった。
そんなヒビキはさして気にもせず、コトネは神妙な顔つきでそれをパラパラとめくる。
「1階に落下した時にちょうど手に当たってね。それで、さっき軽く流し読みしてみたけど……とんでもないことが書いてある」
「…何が書いてあるの?」
ごくりを生唾を飲み込んでヒビキが身体を乗り出す。
「ヒビキ君、ジラーチっていうポケモン知ってる?」
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