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Posted by なぎさ - 2009.05.12,Tue
手榴弾が飛んでくる方とは逆に首をひねれば、額に炎を灯したジョットと、その真後ろに隼の姿…
その隼が何かを投げた直後だったと気づいたその瞬間には、手榴弾は空中でその小刀によって真っ二つにされていた。
それとほぼ同時に髀子の前に飛び込んできたジョットから、自分のようなまやかしではない、純粋な炎の壁が一瞬で創造される。爆発と衝撃波はすべてその炎で相殺、いや、炎はそれを押し返して反対側へ爆風を引き起こしていた。
あまりの光に目がチカチカするのを堪えて、髀子は自分を庇うように立つジョットを見上げた。

・・・来てくれた。
こうも、ピンチの真っ直中に。
なんとなく、都合のよすぎるタイミングで。

少しだけ胸の内が熱くなるような錯覚に襲われる。
錯覚?
本当に?

嬉しいけど、悔しい。
助けられて、しまった。

炎がおさまるとすぐにジョットが余裕のない表情でこちらにしゃがみこんできた。
「髀子ちゃん平気!?怪我とかない!?」

優しい。
だから余計に悔しい。
嫌だ。

「・・・・・助けてなんて・・頼んでないけど・・・」
「や?助けて欲しそうだったから・・・」
「・・・っ!」
思わず苦笑が漏れたジョットに、ばつが悪そうに顔を背けた髀子の顔にほのかに差す朱。
しかし、ジョットがそれに気づくことはなかった。何故ならば・・・
「ちょっ、髀子ちゃん怪我してるじゃん、顔!!」
超がつくほどの重大問題に気づいてしまったから。
先ほどの銃がかすったときの、頬の傷。
「泰夫!」
噛みつかんばかりにこちらを睨んできたジョットに、泰夫が一瞬たじろぐ。そんなこと言われてもどうしようもない。
自分は後衛。遠距離向け。即座の攻撃に対応するのは苦手中の苦手だ。実際式神を作るのにも最低2秒はいるのだ。
「・・・それくらいの傷すぐ治りますよ」
理不尽に責められる泰夫と一気に機嫌を損ねたジョットに、些か呆れ気味の隼の声が後ろから割り込む。
先ほど手榴弾を真っ二つにした、近距離と遠距離両用の張本人。
「それに・・・」
隼はジョットのそばにまでいくと、そっとジョットの頬に手を触れた。
「僕は君の顔に傷がつかないかのほうが心配です」
「いちいち気色悪いんだっておまえは!」
青ざめて隼の手を振り払うジョット。
目に見えて視線が冷たくなる髀子。
泰夫はいつもの日常すぎるその光景にひとりそっとため息をついた。

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