Posted by なぎさ - 2009.05.13,Wed
小さくドアをノックする。返事はないことが分かっているので静かにドアノブを回して室内に足を踏み入れた。白を基調とした無駄に広い部屋を奥まで突っ切ると、そこには天蓋付きのベッドがある。
そこをのぞき込んで…
骸は絶句した。
真っ先に目につく散らばった亜麻色の髪。
…が、二セット。
真っ白なシーツの上には、同じ顔の少年、少女が寄り添うようにして眠っていた。
『フ タ ゴ コ ロ』
「ちょっと何してるんですか君たち!?」
ハッと我に返った骸は慌てて二人を引きはがしにかかる。条件反射的にかお互いにお互いの寝間着をがっちりと掴んだ二人はなかなか離れない。
骸の目尻がひくりとなる。
「起きなさい!朝です!ツナくん!綱吉くん!」
負けじと耳元で叫べば、さすがに二人が少し顔をしかめる。しかし、まだ起きない。いつものことだがなんて寝起きの悪さだ。
「ツナくん!起きなさい!君なんでここにいるんですか!?」
力ずくでツナを綱吉から引きはがした骸は、そのままツナを抱えた体勢でツナの頬を軽くぺちぺちとたたく。
と、思いがけない早さで下から繰り出された拳が骸の顎を捕らえた。見事なアッパーが骸にきまる。
「ぐはっ!」
「ん、んんぅ…」
やっとこさ目をうっすらと開けたツナが、後ろにひっくり返った骸をぼんやりと不思議そうに見る。
「………何やってるの骸…?」
「…ここは綱吉くんの部屋でしょう?何故君がここで寝ているんですか…?」
君が吹っ飛ばしたんでしょうというツッコミはとりあえず置いておいて、骸は顎を押さえつつ起きあがった。
そう、ここは綱吉の部屋。ツナの部屋は隣だ。
ツナはしばらくぼけーとしていたが、未だにすよすよと眠る綱吉を見て、あぁ、と頷いた。
「そうだ。オレ、寂しくなって綱吉に一緒に寝てって頼んだんだ…」
「なっ、寂しいなら僕に言ってくだされば添い寝してさしあげ」
「やだ…綱吉がいい…」
見事に斬り捨てられて衝撃を受ける骸には目もくれず、ツナは綱吉のほうへと四つん這いになって歩み寄る。
「綱吉~、つ~なよし~!骸が起こしに来たらしいよ~」
耳元で言いつつゆっさゆっさと綱吉を揺らせば、小さく身じろぎした綱吉がやっと薄目を開けた。
が、
「……もうちょっと…」
言うなり、すぐ近くにいたツナを自分の腕の中に引きずり込んで再び眠る体勢に入ろうとする。
「ひぁっ」
再びベッドに倒れ込んだツナが小さく悲鳴を上げるのを聞いた骸がこの状況を黙っているわけがなかった。
「ちょっと待ちなさいぃぃいぃぃいっっっ!!!」
絶叫した骸が今度は綱吉のほうを引きはがす。
「い、いい加減にしましょうね“王子様”…!!」
ツナよりも些か目つきの悪い綱吉が寝ぼけ眼のまま骸を睨む。
「ツナのせいであんまり寝れなかったんだよ…」
「は?どういう意味…」
「綱吉ずるーい!骸、オレのことも“お姫様”って呼んでぇ?」
こちらも未だに寝ぼけている。
”なんだこの双子は…”
骸が頭をかかえて盛大にため息をついたのにも、この二人はまったく気づかなかったようだ。
そんな王室での朝の出来事。
綱吉 男。
ツナ 女。
二人は双子。
この国の王子様とお姫様である。
「まったく、君たちを起こす僕の身にもなってください…」
朝食の席。
朝からげっそりしている彼は双子の護衛の一人、六道骸。
先ほど二人を起こすために体力を使い果たしたようで、伸ばした背筋にもいつもの凛とした真っ直ぐ感が見られない。
そんな骸を、パンを口に運びつつちらりと横目で見る綱吉。
「しょうがないだろ、ツナのおしゃべりに付き合ってたら夜中の3時越してたんだよ…」
「…ツナくん、君は夜は部屋から出るの禁止です…」
「えぇ…っ、なんで!?」
ツナのスプーンからすくったばかりのスープがボタボタと皿の中に戻る。
「なんでじゃありません!君たちはねぇ、仲が良すぎるんです!だいたいもう兄妹って感じじゃないでしょう!?はたから見たら恋人ですよ!!」
そこをのぞき込んで…
骸は絶句した。
真っ先に目につく散らばった亜麻色の髪。
…が、二セット。
真っ白なシーツの上には、同じ顔の少年、少女が寄り添うようにして眠っていた。
『フ タ ゴ コ ロ』
「ちょっと何してるんですか君たち!?」
ハッと我に返った骸は慌てて二人を引きはがしにかかる。条件反射的にかお互いにお互いの寝間着をがっちりと掴んだ二人はなかなか離れない。
骸の目尻がひくりとなる。
「起きなさい!朝です!ツナくん!綱吉くん!」
負けじと耳元で叫べば、さすがに二人が少し顔をしかめる。しかし、まだ起きない。いつものことだがなんて寝起きの悪さだ。
「ツナくん!起きなさい!君なんでここにいるんですか!?」
力ずくでツナを綱吉から引きはがした骸は、そのままツナを抱えた体勢でツナの頬を軽くぺちぺちとたたく。
と、思いがけない早さで下から繰り出された拳が骸の顎を捕らえた。見事なアッパーが骸にきまる。
「ぐはっ!」
「ん、んんぅ…」
やっとこさ目をうっすらと開けたツナが、後ろにひっくり返った骸をぼんやりと不思議そうに見る。
「………何やってるの骸…?」
「…ここは綱吉くんの部屋でしょう?何故君がここで寝ているんですか…?」
君が吹っ飛ばしたんでしょうというツッコミはとりあえず置いておいて、骸は顎を押さえつつ起きあがった。
そう、ここは綱吉の部屋。ツナの部屋は隣だ。
ツナはしばらくぼけーとしていたが、未だにすよすよと眠る綱吉を見て、あぁ、と頷いた。
「そうだ。オレ、寂しくなって綱吉に一緒に寝てって頼んだんだ…」
「なっ、寂しいなら僕に言ってくだされば添い寝してさしあげ」
「やだ…綱吉がいい…」
見事に斬り捨てられて衝撃を受ける骸には目もくれず、ツナは綱吉のほうへと四つん這いになって歩み寄る。
「綱吉~、つ~なよし~!骸が起こしに来たらしいよ~」
耳元で言いつつゆっさゆっさと綱吉を揺らせば、小さく身じろぎした綱吉がやっと薄目を開けた。
が、
「……もうちょっと…」
言うなり、すぐ近くにいたツナを自分の腕の中に引きずり込んで再び眠る体勢に入ろうとする。
「ひぁっ」
再びベッドに倒れ込んだツナが小さく悲鳴を上げるのを聞いた骸がこの状況を黙っているわけがなかった。
「ちょっと待ちなさいぃぃいぃぃいっっっ!!!」
絶叫した骸が今度は綱吉のほうを引きはがす。
「い、いい加減にしましょうね“王子様”…!!」
ツナよりも些か目つきの悪い綱吉が寝ぼけ眼のまま骸を睨む。
「ツナのせいであんまり寝れなかったんだよ…」
「は?どういう意味…」
「綱吉ずるーい!骸、オレのことも“お姫様”って呼んでぇ?」
こちらも未だに寝ぼけている。
”なんだこの双子は…”
骸が頭をかかえて盛大にため息をついたのにも、この二人はまったく気づかなかったようだ。
そんな王室での朝の出来事。
綱吉 男。
ツナ 女。
二人は双子。
この国の王子様とお姫様である。
「まったく、君たちを起こす僕の身にもなってください…」
朝食の席。
朝からげっそりしている彼は双子の護衛の一人、六道骸。
先ほど二人を起こすために体力を使い果たしたようで、伸ばした背筋にもいつもの凛とした真っ直ぐ感が見られない。
そんな骸を、パンを口に運びつつちらりと横目で見る綱吉。
「しょうがないだろ、ツナのおしゃべりに付き合ってたら夜中の3時越してたんだよ…」
「…ツナくん、君は夜は部屋から出るの禁止です…」
「えぇ…っ、なんで!?」
ツナのスプーンからすくったばかりのスープがボタボタと皿の中に戻る。
「なんでじゃありません!君たちはねぇ、仲が良すぎるんです!だいたいもう兄妹って感じじゃないでしょう!?はたから見たら恋人ですよ!!」
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