Posted by なぎさ - 2007.06.16,Sat
これは本館の復活学園's lifeの続きです。
本編を読んでない方はそちらから読まないと分からないかと・・・・
===================================
ツナは後ろへあとずさった。
背中に嫌な汗が流れる。
ザンザスのことは何も知らないが、かなりヤバイ奴だということは …分かる。
「おっ、俺生徒会長なんかにならないからっ!だいたい俺はそんな 器じゃないし!!」
「…つぶす」
「ちょ、聞いてよーーーーー!!!」
涙目で訴えかけるツナを軽く無視して、ザンザスは拳を握り締めた 。
そのまま殴りかかってくる。
「わっ!!」
間一髪のところでツナは横に転がり、その一撃を避けた。
地面にささったザンザスの手から、薄く煙があがっている。
「ヒィィ!!」
その部分だけコンクリートに皹がはいっていた。
「ちょっとあなたっ!いきなり何するんですか!!」
勇敢にもザンザスに歯向かったのはハルだった。
「邪魔するな、女。殺されたいのか?」
ギロリどザンザスがハルを睨む。
「ふんっ。候補が1人増えたぐらいでそんなに焦るなんて 、よっぽど自分に自信がないんですか?」
ピシッ
空気が凍りついた。
ツナも、それを言ったハルもゴクリと生唾を飲みこんだ。
もしかして…かなり危険…?
ゴォォォ
ザンザスの後ろにまがまがしいオーラが見える。
「死ね」
「きゃあぁぁ!!」
ツナはザンザスがいつ動いたのか分からなかった。
…しかし、次の瞬間ハルは後ろに吹っ飛んでいた。
ガシャアァァンッ
背中がフェンスにぶつかり、ものすごい音がした。
「なっなんてことす…」
「キャアアアァ!!」
ザンザスに非難の目を向けたツナだったが、ハルの悲鳴がして驚い て振り返った。
もろくなったフェンスが壊れてハルの体が空中に投げ出されている 。
……落ちる!
「死ぬ気で助けてみろ、ツナ」
ズガーーンッ
「え…」
ツナの頭はいきなり真っ白なった。
”今俺…撃たれ…!!”
しかし、そんな考えはすぐに吹っ飛んだ。
ハルを助けなければ……!
リボーンは向かい側の校舎の4階の窓から身をのりだし 、銃口をいぶかしげに見た。
「こりゃぁ……」
「クフフ。手がお早いですね、リボーン先生」
後ろからヒョコリと顔を覗かせた骸にリボーンは僅かに眉をしかめ た。
「てめぇ…いつのまに弾すり替えやがった…」
「いえいえ、いきなり小言弾はさすがにまずいでしょう」
骸は質問には答えずに、微笑だけを返した。
ツナの脳天をぶち抜いた弾は、リボーンが撃った死ぬ気弾だった… …………。
本編を読んでない方はそちらから読まないと分からないかと・・・・
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ツナは後ろへあとずさった。
背中に嫌な汗が流れる。
ザンザスのことは何も知らないが、かなりヤバイ奴だということは
「おっ、俺生徒会長なんかにならないからっ!だいたい俺はそんな
「…つぶす」
「ちょ、聞いてよーーーーー!!!」
涙目で訴えかけるツナを軽く無視して、ザンザスは拳を握り締めた
そのまま殴りかかってくる。
「わっ!!」
間一髪のところでツナは横に転がり、その一撃を避けた。
地面にささったザンザスの手から、薄く煙があがっている。
「ヒィィ!!」
その部分だけコンクリートに皹がはいっていた。
「ちょっとあなたっ!いきなり何するんですか!!」
勇敢にもザンザスに歯向かったのはハルだった。
「邪魔するな、女。殺されたいのか?」
ギロリどザンザスがハルを睨む。
「ふんっ。候補が1人増えたぐらいでそんなに焦るなんて
ピシッ
空気が凍りついた。
ツナも、それを言ったハルもゴクリと生唾を飲みこんだ。
もしかして…かなり危険…?
ゴォォォ
ザンザスの後ろにまがまがしいオーラが見える。
「死ね」
「きゃあぁぁ!!」
ツナはザンザスがいつ動いたのか分からなかった。
…しかし、次の瞬間ハルは後ろに吹っ飛んでいた。
ガシャアァァンッ
背中がフェンスにぶつかり、ものすごい音がした。
「なっなんてことす…」
「キャアアアァ!!」
ザンザスに非難の目を向けたツナだったが、ハルの悲鳴がして驚い
もろくなったフェンスが壊れてハルの体が空中に投げ出されている
……落ちる!
「死ぬ気で助けてみろ、ツナ」
ズガーーンッ
「え…」
ツナの頭はいきなり真っ白なった。
”今俺…撃たれ…!!”
しかし、そんな考えはすぐに吹っ飛んだ。
ハルを助けなければ……!
リボーンは向かい側の校舎の4階の窓から身をのりだし
「こりゃぁ……」
「クフフ。手がお早いですね、リボーン先生」
後ろからヒョコリと顔を覗かせた骸にリボーンは僅かに眉をしかめ
「てめぇ…いつのまに弾すり替えやがった…」
「いえいえ、いきなり小言弾はさすがにまずいでしょう」
骸は質問には答えずに、微笑だけを返した。
ツナの脳天をぶち抜いた弾は、リボーンが撃った死ぬ気弾だった…
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Posted by なぎさ - 2007.06.08,Fri
「そう思うんなら早くどいてください・・・・」
「ああ、すみません。」
少しも申し訳なさそうなそぶりを見せずにそう言うと、骸はツナから降りた。
そのままツナを抱き起こす。
「凪が迷惑かけたみたいですね。ありがとうございました。」
「いや、別にいいけど、お前、大丈夫なの・・・?」
ツナは上目遣いに骸を見上げた。
骸のほうがツナより背が高いため、どうしても見上げるような形になってしまう。
「ええ、十分休みましたから。まだ戦うには少々つらいですが・・・」
「そっか・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・何?」
「・・・・綱吉君、仮にも王子だったんでしょう?何でこんなに細いんですか。」
骸はしばらくツナを見つめると、ひょいとツナを抱き上げた。
「ひゃあああ!!!」
骸に軽々と持ち上げられてツナは悲鳴をあげた。
今度はツナが骸を見下ろす体制になる。
「なっ、何すんの!?」
「ちゃんとご飯食べてましたか?」
「食べてました!!こういう体型なんです!!気にしないでください!!」
細っこい体。背中まで伸びた襟足。そしてかわいらしい顔。
「本当に女の子みたいですね」と呟くと、骸はツナをおろした。
拗ねたようにふいっとそっぽを向いてしまったツナを苦笑しつつ見ると、骸はそっとツナの耳元でささやいた。
「でも僕を助けてくれた時のキミはとっても男らしくてかっこよかったですよ。」
「へ!?」
ツナの顔が赤くなったのは言うまでもない。
Posted by なぎさ - 2007.05.27,Sun
「というか、よく考えたら凪達も狙われてるんだから、俺の危険度も増すんじゃあ・・・」
草木をかき分けながらツナはポツリとつぶやいた。
二人は山道をもくもくと歩いていた。
先程の小川のほとりで十分睡眠を取った後、その場を離れてきたわけである。
同じ場所に長い間いるのは危険だし、何よりあんなところにいてもどうしようもない。
すぐに後ろから凪がひょこっとツナに追いついてきた。
「あ、ばれちゃった?」
「ちょ、ちょっと待ってー!!アラゴスタ王国の兵ともやり合わなきゃいけなくなったの、俺!?」
「大丈夫。・・・・・多分。」
ツナは冷や汗たらたらで凪をチラリと見た。
凪はというと、顔をしかめながら歩いている。
「・・・・・?凪・・・?」
「ボス・・・・・ごめんなさい・・・」
「へ?」
いきなり謝られてツナは面食らって凪を見た。
見た途端、凪が自分の方に向かって倒れてきた。
「うわっ!ちょ、ちょっと・・・!!」
凪を支えきれずにそのまま倒れ込んだツナだったが、凪の様子がおかしいのに気づいて急いで凪を助け起こした。
「ど、どうしたの!?」
「・・・・・・・お腹・・・・すいた・・・・・」
「は?」
***
「ごめんなさい、ボス。」
「いや、いいよ別に。」
ツナは凪をおぶりながら歩いていた。
凪は軽い方といっても、さすがに山道を歩くとなるとつらい。
先程ツナが持っていた食料をあげたわけだが、まだふらつくというのでこうしてツナがおぶっている訳である。
「3日前から何も食べてなかったの・・・・」
「え!?3日間も!?」
これにはツナも驚いた。
抜け出してからずっと飲まず食わずで逃げ続けてきたというのか。
ツナはハァと、小さくため息をついた。
とりあえずツナが持っていた食料も尽きたため、どこかでどうにかしなければいけない。
“凪・・・・”
「!!ボス、骸様が呼んでる。今変わるね。」
「へ・・・?え!ちょ、ちょっと待って!!」
ツナの忠告も気にせず、凪はすぐに眼帯をはずした。
背中に冷気が伝う。
その途端、先程とは比べものにならない重量がツナを襲った。
「ぎゃあああああ!!!」
そのまま前のめりに倒れる。
背中に骸の体が重なって、ツナは「ぐえっ」と苦しげな声を出した。
「・・・・大丈夫ですか?綱吉君。」
ツナに乗っかったままで骸はツナの顔をのぞき込んだ。
Posted by なぎさ - 2007.05.20,Sun
「私はアラゴスタ王国の普通の民だった。だけどある日いきなり捕まって・・・・・気がついたら変な研究所に閉じこめられてて、研究材料にされてた。」
ツナは唖然とした。
アラゴスタ王国は人間を材料になんの研究をしているのだ。
治安が悪いというのは知っていたが、まさかそんなことまで・・・・
「じゃあ骸も・・・?」
「うん。毎日泣いてた私に・・・・骸様は話しかけてくれて、励ましてくれた。骸様は研究にとても大事な人材だったらしいから。」
「・・・・何の研究なの?それ・・・・」
「人間兵器・・・・」
「!?」
「アラゴスタ王国は人を改造して人以上の力をもった人間を作って、最強の兵隊を作りたかったみたい。」
「・・・・それで・・・?」
「骸 様は生まれつき力があったから、研究者達は骸様をサンプルにそれを利用したかったみたい。そして、骸様自身もより強力に改造されていった。でも・・・・度 重なる実験や解剖に、骸様の体はボロボロになっちゃったの。その本物の体が使い物にならなくなったから、代わりの体が必要になった。それが・・・・私。」
「!!それじゃあ骸の体は・・・・」
「なくなったわけじゃないの。ただ、何処にあるか分からない。」
「そんな・・・」
ツナは驚きを隠すことができなかった。
隣の国でそんなことが行われていたなんて。
そして凪と骸にそんな悲惨な過去があったなんて。
「私 の中に入れられた骸様は、逃げだそうって言ってきたの。自分が表に出るからって。そして3日前、私たちはついにそれを実行した。簡単じゃなかった。研究所 は全壊さして出てきたけど、追っ手はすぐに来るし、殺す勢いで容赦なく攻撃してくるし、それに何より、国境を越えるのが困難だった。まさか普通に門から出 してくれるわけないでしょう?」
「なんで、もっと早く逃げ出さなかったの・・・?逃げれたんなら、もっと早く逃げてれば骸の体は・・・・」
「私の・・・・せいかな。」
「え・・・?」
「骸様、私を一人には出来ないって言ってくれてたの。自分一人だけなら逃げ出せたかもしれないけど、私がいたら邪魔だし、一緒に逃げるなんて到底無理だろうから・・・」
ツナは首をかしげた。
どうして骸はそこまで凪のことを・・・・・?
凪は話しながらポロポロ泣き始めた。
「全部、私のせいなの。骸様があそこまで苦しまなきゃいけなかったのも・・・・今こうして無理させちゃって骸様が倒れちゃったのも・・・・」
本当に悲しそうに、悔しそうに泣く凪に、ツナは声をかけることが出来なかった。
凪はツナの視線にハッとすると、慌てて涙をぬぐった。
「そ、 それで、とにかく逃げなきゃいけなくて、それでボンゴレ王国に保護を求めようと思って、この国に来たの。ボンゴレ王国は治安がいいってことで有名だった し、王もとっても慈悲深くていい人だって聞いてたから。でも、正式にこの国に入ってきた訳じゃない。ごめんなさい。」
ツナはぶんぶんと首をふった。
凪達は9代目を頼ってこの国に来たんだ。
でも9代目は・・・・・死んでしまった。
凪達の求めていたモノはこの国にはもう・・・・ない。
「俺こそ、謝らなきゃ・・・・もう慈悲深い王はいない。今城は占拠されてるから、凪達を保護してあげることは出来ない。ごめん。俺、跡継ぎなのに何も出来なかったんだ。大切なモノ一つも守れない。周りに守られてばっかのダメ王子だ。」
「そんなことない。私たち、ボスに守ってもらったよ。ボスがいなきゃ・・・死んでた。それに、この国の王子様に出会えたわけだし。」
そう言ってニッコリ笑った凪に、ツナは苦笑で返した。
「王子って言っても今の俺にはなんの力もない。俺じゃ保護してあげられないよ?」
「分かってる。だから、ボスについていく。ボスが王座に座れるように協力する。ボスが無事に王座に座れたら、私たちに居場所を与えて欲しい。嫌って言ってもついてく。今の私たちには、ボスしかいないから。その代わり、命でも何でもかけるよ。いいでしょう?」
そう言われて断れる訳がない。
凪の真剣な目を見ながら、ツナは苦笑いをこぼした。
「馬鹿だなぁ。危険なだけなのに。」
「いいの、危険なのは慣れっこだから。」
ツナは唖然とした。
アラゴスタ王国は人間を材料になんの研究をしているのだ。
治安が悪いというのは知っていたが、まさかそんなことまで・・・・
「じゃあ骸も・・・?」
「うん。毎日泣いてた私に・・・・骸様は話しかけてくれて、励ましてくれた。骸様は研究にとても大事な人材だったらしいから。」
「・・・・何の研究なの?それ・・・・」
「人間兵器・・・・」
「!?」
「アラゴスタ王国は人を改造して人以上の力をもった人間を作って、最強の兵隊を作りたかったみたい。」
「・・・・それで・・・?」
「骸 様は生まれつき力があったから、研究者達は骸様をサンプルにそれを利用したかったみたい。そして、骸様自身もより強力に改造されていった。でも・・・・度 重なる実験や解剖に、骸様の体はボロボロになっちゃったの。その本物の体が使い物にならなくなったから、代わりの体が必要になった。それが・・・・私。」
「!!それじゃあ骸の体は・・・・」
「なくなったわけじゃないの。ただ、何処にあるか分からない。」
「そんな・・・」
ツナは驚きを隠すことができなかった。
隣の国でそんなことが行われていたなんて。
そして凪と骸にそんな悲惨な過去があったなんて。
「私 の中に入れられた骸様は、逃げだそうって言ってきたの。自分が表に出るからって。そして3日前、私たちはついにそれを実行した。簡単じゃなかった。研究所 は全壊さして出てきたけど、追っ手はすぐに来るし、殺す勢いで容赦なく攻撃してくるし、それに何より、国境を越えるのが困難だった。まさか普通に門から出 してくれるわけないでしょう?」
「なんで、もっと早く逃げ出さなかったの・・・?逃げれたんなら、もっと早く逃げてれば骸の体は・・・・」
「私の・・・・せいかな。」
「え・・・?」
「骸様、私を一人には出来ないって言ってくれてたの。自分一人だけなら逃げ出せたかもしれないけど、私がいたら邪魔だし、一緒に逃げるなんて到底無理だろうから・・・」
ツナは首をかしげた。
どうして骸はそこまで凪のことを・・・・・?
凪は話しながらポロポロ泣き始めた。
「全部、私のせいなの。骸様があそこまで苦しまなきゃいけなかったのも・・・・今こうして無理させちゃって骸様が倒れちゃったのも・・・・」
本当に悲しそうに、悔しそうに泣く凪に、ツナは声をかけることが出来なかった。
凪はツナの視線にハッとすると、慌てて涙をぬぐった。
「そ、 それで、とにかく逃げなきゃいけなくて、それでボンゴレ王国に保護を求めようと思って、この国に来たの。ボンゴレ王国は治安がいいってことで有名だった し、王もとっても慈悲深くていい人だって聞いてたから。でも、正式にこの国に入ってきた訳じゃない。ごめんなさい。」
ツナはぶんぶんと首をふった。
凪達は9代目を頼ってこの国に来たんだ。
でも9代目は・・・・・死んでしまった。
凪達の求めていたモノはこの国にはもう・・・・ない。
「俺こそ、謝らなきゃ・・・・もう慈悲深い王はいない。今城は占拠されてるから、凪達を保護してあげることは出来ない。ごめん。俺、跡継ぎなのに何も出来なかったんだ。大切なモノ一つも守れない。周りに守られてばっかのダメ王子だ。」
「そんなことない。私たち、ボスに守ってもらったよ。ボスがいなきゃ・・・死んでた。それに、この国の王子様に出会えたわけだし。」
そう言ってニッコリ笑った凪に、ツナは苦笑で返した。
「王子って言っても今の俺にはなんの力もない。俺じゃ保護してあげられないよ?」
「分かってる。だから、ボスについていく。ボスが王座に座れるように協力する。ボスが無事に王座に座れたら、私たちに居場所を与えて欲しい。嫌って言ってもついてく。今の私たちには、ボスしかいないから。その代わり、命でも何でもかけるよ。いいでしょう?」
そう言われて断れる訳がない。
凪の真剣な目を見ながら、ツナは苦笑いをこぼした。
「馬鹿だなぁ。危険なだけなのに。」
「いいの、危険なのは慣れっこだから。」
Posted by なぎさ - 2007.05.13,Sun
“・・・む・・骸さ・・・”
「おや、凪。起きましたか。すみませんが、交代してください・・・」
「・・ひうっ・・・む、骸・・・?」
涙でぐしょぐしょの顔でこちらを見てきたツナにニコッと笑うと骸はツナの耳元でささやいた。
「敵から逃げるのはかまいません。今はまだ・・・。でも、運命から逃げようとすることだけはしてはいけませんよ。あなたを待っている人たちがいるのでしょう?あなたは“希望”なのですから・・・」
「え・・・?」
それだけ言うと、骸は仰向けに倒れた。
「骸!!」
「少々疲れました。凪を・・・お願いします・・・」
眼帯を目に当てた瞬間、一瞬だけ骸の体を霧が包み、次の瞬間にはまたそこには凪の姿があった。
「凪・・・?」
「・・・・・ん・・・」
ゆっくりと目を開けた凪。
ツナの姿を認めると、安心したようにふっと微笑んだ。
「よかった。無事だった・・・・?」
「お、おれは大丈夫だけど・・・・凪が・・・」
「私は大丈夫。これくらい、いつものことだから・・・」
そう言って凪は少し自嘲気味に呟いた。
「また・・・骸様に無理させちゃった・・・・ダメだな、私。」
「・・・・いったい二人は・・・・」
「あ、ごめんね。今から話す・・・・」
凪は上半身だけを起こすと痛そうに顔を歪めた。
ツナが慌てて凪を支えると、そのまま凪と目線がぶつかった。
「・・・・泣いてたの・・・?」
「え・・・」
ツナはきょとんとしたが、慌てて目をこすった。
でも涙のあとは消えない。
凪はニコッと笑うとツナの手に自分の手を重ねた。
「骸様は悪い人じゃないから・・・安心してね、ボス。」
「あ、うん・・・・って、へ!?ボス!?」
「だって、この国の跡取りなんでしょ?この国の一番偉い人・・・骸様がそう言ってるんだけど・・・・」
ツナはあんぐりと口をあけた。
ボスって・・・・そんなマフィアみたいな・・・・
「それとも、綱吉って呼んだ方がいいの?」
今度はギクッとなる。
それは・・・・・・・困る。非常に困る。
「・・・・ボスでいいよ・・・・でも、今は違うから。それだけは覚えておいてね。」
「うん。」
凪は素直に頷くと少しだけ遠くを見つめた。
それからゆっくりと口をひらく。
「私と骸様はね、隣のアラゴスタ王国から来たの。」
ツナは頷いた。
そこまでは先程の兵隊との会話から理解していた。
アラゴスタ王国とボンゴレ王国は仲が悪い。
アラゴスタ王国がボンゴレ王国を一方的に嫌っているというのが正しいのかもしれないが・・・・
とにかくお互いの国が干渉することは今まではあまりなかった。
それなのに、アラゴスタ王国の兵は、ボンゴレ王国は国境を越える許可を出したと言った。
いつのまにそんな仲になったのか。
あいつが以前からアラゴスタ王国と関わっていたに違いない。
そして、アラゴスタ王国の兵がボンゴレ王国に入ることを許可したということは・・・・・・
嫌な予感がツナを襲う。
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