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Posted by なぎさ - 2007.05.13,Sun

“・・・む・・骸さ・・・”

「おや、凪。起きましたか。すみませんが、交代してください・・・」
「・・ひうっ・・・む、骸・・・?」

涙でぐしょぐしょの顔でこちらを見てきたツナにニコッと笑うと骸はツナの耳元でささやいた。

「敵から逃げるのはかまいません。今はまだ・・・。でも、運命から逃げようとすることだけはしてはいけませんよ。あなたを待っている人たちがいるのでしょう?あなたは“希望”なのですから・・・」
「え・・・?」

それだけ言うと、骸は仰向けに倒れた。

「骸!!」
「少々疲れました。凪を・・・お願いします・・・」

眼帯を目に当てた瞬間、一瞬だけ骸の体を霧が包み、次の瞬間にはまたそこには凪の姿があった。

「凪・・・?」
「・・・・・ん・・・」

ゆっくりと目を開けた凪。
ツナの姿を認めると、安心したようにふっと微笑んだ。

「よかった。無事だった・・・・?」
「お、おれは大丈夫だけど・・・・凪が・・・」
「私は大丈夫。これくらい、いつものことだから・・・」

そう言って凪は少し自嘲気味に呟いた。

「また・・・骸様に無理させちゃった・・・・ダメだな、私。」
「・・・・いったい二人は・・・・」
「あ、ごめんね。今から話す・・・・」

凪は上半身だけを起こすと痛そうに顔を歪めた。
ツナが慌てて凪を支えると、そのまま凪と目線がぶつかった。

「・・・・泣いてたの・・・?」
「え・・・」

ツナはきょとんとしたが、慌てて目をこすった。
でも涙のあとは消えない。
凪はニコッと笑うとツナの手に自分の手を重ねた。

「骸様は悪い人じゃないから・・・安心してね、ボス。」
「あ、うん・・・・って、へ!?ボス!?」
「だって、この国の跡取りなんでしょ?この国の一番偉い人・・・骸様がそう言ってるんだけど・・・・」

ツナはあんぐりと口をあけた。
ボスって・・・・そんなマフィアみたいな・・・・

「それとも、綱吉って呼んだ方がいいの?」

今度はギクッとなる。
それは・・・・・・・困る。非常に困る。

「・・・・ボスでいいよ・・・・でも、今は違うから。それだけは覚えておいてね。」
「うん。」

凪は素直に頷くと少しだけ遠くを見つめた。
それからゆっくりと口をひらく。

「私と骸様はね、隣のアラゴスタ王国から来たの。」

ツナは頷いた。
そこまでは先程の兵隊との会話から理解していた。
アラゴスタ王国とボンゴレ王国は仲が悪い。
アラゴスタ王国がボンゴレ王国を一方的に嫌っているというのが正しいのかもしれないが・・・・
とにかくお互いの国が干渉することは今まではあまりなかった。
それなのに、アラゴスタ王国の兵は、ボンゴレ王国は国境を越える許可を出したと言った。
いつのまにそんな仲になったのか。
あいつが以前からアラゴスタ王国と関わっていたに違いない。
そして、アラゴスタ王国の兵がボンゴレ王国に入ることを許可したということは・・・・・・
嫌な予感がツナを襲う。
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