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Posted by なぎさ - 2006.10.20,Fri
「ほたるさんは…、寂しくないんですか?」
ゆやは先程保健室で思ったことを素直に口に出してみた。
「寂しいって?」
ほたるに見つめ返されてゆやは少々たじろぐ。
この時ゆやの頬がほんのりピンクにそまったのに本人は気付いてい
ない。
次の言葉を探すのに必死だったからだ。
「えっ…と、だって、誰からも見えないんでしょう?自分はそこにいるのに誰も気付いてくれないなんて、私だったら寂しくてどうにかなっちゃいそうです。」
「…そんなことないよ。だってあんたは俺のこと見てくれてるじゃん。あんたに気付いててもらえれば、それでいいよ。」
「え……」
今度は頬が熱くなったのが自分でも分かった。
「ほたるさんは……ひどいです。」
「なにが?」
〝不意打ちばっかり……〝
自分ばかりが振り回されているのが恥ずかしくて、ゆやはぷいっとそっぽを向いた。
「あんたさぁ……」
「その“あんた”って呼び方やめてもらえませんか?私にはちゃんと“ゆや”って名前があるんです。」
「……知ってるよ。」
「知ってるならちゃんと名前で呼んでください!!」
「ん~…、気が向いたらね。」
期待はしていなかったが、やはりうなだれてしまったゆやだった。

月が綺麗な夜。
ゆやの家の屋根の上にひとつの人影があった。
銀色の髪が月にきらめき、真っ黒なマントが闇に溶けこんでいる。
その影がくすりと笑う。
「椎名ゆや……あいつがほたるを……くくっ、面白い。せいぜい今だけでも幸せに浸っているがいいさ。」
すっと開けられた目が闇夜に映える。
その瞳の色は、ほたると同じ、少しオレンジがかった深い金色……
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