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Posted by なぎさ - 2011.05.08,Sun
遅筆で申し訳ないです…
続きからどぞ!

 
窓越しに空を見上げた。 
月は見えない。 
雲に隠れてしまっているのか、ここから見えない位置にいるのか。 
この狭い箱から覗く外界は今日も変わらず綺麗だ。 
例えそこに一点の輝きさえなくても。 
どこかにあるであろうその輝きを想像するだけで十分だから。 

___________そう、思えたらいいのに。 








+Heart第11話 







「…準備はいいか」 
「「OKです!」」 
「…っていうか、おまえらホントについてくる気か?」 
「当たり前じゃないですか!」「何を今更!」 

建物の壁に張り付いたグリーンが首だけを後ろに回せば、あくまで真剣な顔をしたヒビキとコトネが首を縦に振った。 
時刻は深夜2時半を過ぎ、完全に草木も眠る丑三つ時である。 
少し町外れの草木に囲まれたここは街灯も十分になく、お互いの表情もはっきりとは見えない。 
そんな中でも分かるくらいに爛々と目を光らせる後輩二人。 
親には何と言ってきたのかとグリーンが問えば、二人そろって「先輩の家にお泊まりする!」ときた。 
この二人のことだから、今更帰れと言っても無駄だということは分かっているのだが… 

「ここからは本当に遊びじゃねぇんだ。危険だってこと、分かってるんだろうな」 
「自分の身くらいは守ります」 
「いいか、何かあったらすぐに逃げろよ」 
「言われなくても逃げます」 

グリーンはあくまで淡々と返すヒビキとコトネを見た。 
強要しているわけではないといえ、やはりこの二人を連れていくのは気が引けた。 
何せ、相手は平気で人間相手にサイコキネシスを放ってくるような奴らなのだ。 
もしこの二人に何かあったら自分はどうすればいいのか。 

「…俺はどうなってもいいのか」 

控えめにかけられた声に、グリーンはちらりとそちらに目をやった。 
ヒビキとコトネの後ろに居心地が悪そうに立つのは、強制連行されてきたシルバーである。 

「おまえは別に不法侵入じゃないだろ」 

一応この建物の持ち主の息子だしな、と多少毒を持った物言いのグリーンに、シルバーは言葉を詰まらせた。 
確かにそうなのだが、父の秘密を知りたいと知りたくないの気持ちで未だに揺れるシルバーからしたら、父と鉢合わせした場合にいったいどんな顔をすればいいのか分からない。 
無言でこちらを見てくるコトネに、自分に拒否権はないのだと改めて認識させられるシルバーだが、出来ることなら今すぐここから逃げ出してしまいたかった。 
しかしそのような葛藤の時間でさえシルバーには与えてもらえなかった。 

「そんじゃ、行くぞ」 
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