Posted by なぎさ - 2009.12.13,Sun
「・・・で、一樹たちは?」
まだ青ざめたままのジョットが隼…ではなく泰夫を振り返る。
「あぁ、別ルートから降りてきてるはず」
そのうちにぶつかるんじゃない?
そう言って康夫が立ち上がったのを合図に、一同はそろって敵が転がる廊下の先を見据えた。
「今僕ガ一番倒シタ数多インジャナイカナ!?」
「馬鹿言え!一樹さまが一番に決まってんだろ!?」
「ガンスリンガーなめんなぁあぁああっっ!!」
それとほぼ同時刻、騒がしく廊下を駆ける集団があった。その数十メートル以内は、敵はもちろん、同じ同級生さえも畏れおののき近くの教室に避難するほどの危険区域だった。その集団が通る先には銃弾や針が飛び交い、通った後には、壁が剥がれ落ち、窓が割れ、天井に亀裂が入っているという見るも無惨な景色が広がっているのだから当然といえば当然かもしれないが。
「よっしゃ!下降りるぞ!」
一樹が走りながら階段の前で待ちかまえる敵数人に向かって針を飛ばす。真っ正面から高速で飛んでくる針など並大抵の人に認識出来るはずがない。よしんば見えたとしても遠近感を掴むのは恐ろしく難しいだろう。
階段の前にいた敵も例に違わず、避けることもかなわず後ろ向きに倒れた。
「おい信二!おまえもっと撃ちまくれよ!針がもったいない!」
「弾だってただじゃねーんだぞ!?おまえこそもっと飛ばしまくれ!」
「アーア!ヤダネェ~!コレダカラ道具ニ頼ルヤツラハ!」
階段から先頭に立ったサンサニーが、踊り場にいた敵を階段下のフロアにたたきつけながら華麗に着地する。
サンサニーよりほんの少し遅れて階段を下りきった一樹と信二は、同時に廊下に突っ伏した。
その瞬間、ガラスの割れるけたたましい音とともに二人の真上を銃弾の雨が通り過ぎる。
「やっべあぶねぇええぇ!!」
真っ青になった一樹が顔を上げると同時に、隣で上半身だけ起こした信二が銃を二丁窓の外へと向ける。躊躇いなく引き金を引かれたそれからは二発の弾が撃ち出され、それは見事に窓の外から狙い撃ちしてきた二人の敵へと命中した。敵が崩れ落ちるのを見届けてから信二はキョロキョロと周りを見渡した。
「あれ?サンサニーは…?」
「アブナイアブナイ!」
天井に張り付いていた。
「おい!おまえホントにありえねーから!」
「てかずりーよ!」
「二人モ真似シテミレバー?」
「「出来るかーー!!」」
ついさっき命の危機に瀕したばかりだというのに、この場にはもはや緊張感の欠片すらない。
しかし、とりあえずこれで一樹たちも一階へ下りたことになる。
「っていうか、あれジョットたちじゃね?」
そして少し先にいるジョットたちが見つかるのは当然のことだった。
「……で、結局こうなるわけなんだな…」
「っていうかジョットなんでいんの?謹慎中じゃなかったの?」
見事に10秒後には合流していたりする。
ジョット、隼、髀子、泰夫、一樹、信二、サンサニー、見事にいつものパーティーメンバーが揃ってしまった。
後は校舎から出るだけ…だが、ここからが修羅場だということはこの場の誰もが分かっている。
「まぁ、詳しい事情は後にして、とりあえず俺らが外の敵を壊滅させれば万事OKってことだ」
外から見えないように壁に一列に並びながら真ん中のジョットが呟く。全員がコクリと頷くと同時に腰を僅かに浮かせた。
「それが一番手っ取り早いというか、俺ららしいというか…」
一樹がニヤリと笑ってジョットに視線をやる。
「とりあえずあれでしょ。ヘリをどうするかでしょ」
泰夫が相変わらず眠そうな顔で同じくジョットを見る。
「そうなんだよなぁ…俺がやると中の人たち殺しかねないしなぁ…」
「俺の持ってる銃じゃさすがに無理だぜ?」
「刀もさすがに…」
「針も無理」
「幻覚だと最悪校舎に突っ込まれるかも…」
「僕モ流石ニ届カナイヨー!」
「ってことで俺がやればいいってことかな」
うんうんと一人頷く泰夫に全員の視線が集まる。少なくともジョットの目には驚きの色が浮かんでいた。泰夫が式紙以外を使って攻撃をしているのを見たことがない。しかし他のメンバーは泰夫の発言に驚いている様ではあっても、言葉の内容に驚いているわけではなさそうだった。
「じゃあ、任せるぞ」
「オーライ」
そう言うと同時に泰夫は立ち上がった。
「はっ?」
固まるジョットを余所に、泰夫は窓をガラガラと開けると窓の桟に足をかけて外に飛び出す。突発的すぎる展開に思考がついていっていないジョットを、隣にいた隼が首根っこをひっ掴んで立たせた。
「何ボサッとしてるんですか。行きますよ」
「は?え?」
あれよという間に隼に抱えられて間抜けな声を出したジョットだが、次の瞬間自らも窓の外に飛び出したのに気づいて一気に青ざめた。
「待って!待っ…ちょぉおおぉおぉおっっ!!」
まだ心の準備が出来ていないというか、作戦を全く立てていないというか、泰夫がどういった方法でヘリを落とすのか分からないというか…
「とりあえず俺は何をすれば…!」
まだ青ざめたままのジョットが隼…ではなく泰夫を振り返る。
「あぁ、別ルートから降りてきてるはず」
そのうちにぶつかるんじゃない?
そう言って康夫が立ち上がったのを合図に、一同はそろって敵が転がる廊下の先を見据えた。
「今僕ガ一番倒シタ数多インジャナイカナ!?」
「馬鹿言え!一樹さまが一番に決まってんだろ!?」
「ガンスリンガーなめんなぁあぁああっっ!!」
それとほぼ同時刻、騒がしく廊下を駆ける集団があった。その数十メートル以内は、敵はもちろん、同じ同級生さえも畏れおののき近くの教室に避難するほどの危険区域だった。その集団が通る先には銃弾や針が飛び交い、通った後には、壁が剥がれ落ち、窓が割れ、天井に亀裂が入っているという見るも無惨な景色が広がっているのだから当然といえば当然かもしれないが。
「よっしゃ!下降りるぞ!」
一樹が走りながら階段の前で待ちかまえる敵数人に向かって針を飛ばす。真っ正面から高速で飛んでくる針など並大抵の人に認識出来るはずがない。よしんば見えたとしても遠近感を掴むのは恐ろしく難しいだろう。
階段の前にいた敵も例に違わず、避けることもかなわず後ろ向きに倒れた。
「おい信二!おまえもっと撃ちまくれよ!針がもったいない!」
「弾だってただじゃねーんだぞ!?おまえこそもっと飛ばしまくれ!」
「アーア!ヤダネェ~!コレダカラ道具ニ頼ルヤツラハ!」
階段から先頭に立ったサンサニーが、踊り場にいた敵を階段下のフロアにたたきつけながら華麗に着地する。
サンサニーよりほんの少し遅れて階段を下りきった一樹と信二は、同時に廊下に突っ伏した。
その瞬間、ガラスの割れるけたたましい音とともに二人の真上を銃弾の雨が通り過ぎる。
「やっべあぶねぇええぇ!!」
真っ青になった一樹が顔を上げると同時に、隣で上半身だけ起こした信二が銃を二丁窓の外へと向ける。躊躇いなく引き金を引かれたそれからは二発の弾が撃ち出され、それは見事に窓の外から狙い撃ちしてきた二人の敵へと命中した。敵が崩れ落ちるのを見届けてから信二はキョロキョロと周りを見渡した。
「あれ?サンサニーは…?」
「アブナイアブナイ!」
天井に張り付いていた。
「おい!おまえホントにありえねーから!」
「てかずりーよ!」
「二人モ真似シテミレバー?」
「「出来るかーー!!」」
ついさっき命の危機に瀕したばかりだというのに、この場にはもはや緊張感の欠片すらない。
しかし、とりあえずこれで一樹たちも一階へ下りたことになる。
「っていうか、あれジョットたちじゃね?」
そして少し先にいるジョットたちが見つかるのは当然のことだった。
「……で、結局こうなるわけなんだな…」
「っていうかジョットなんでいんの?謹慎中じゃなかったの?」
見事に10秒後には合流していたりする。
ジョット、隼、髀子、泰夫、一樹、信二、サンサニー、見事にいつものパーティーメンバーが揃ってしまった。
後は校舎から出るだけ…だが、ここからが修羅場だということはこの場の誰もが分かっている。
「まぁ、詳しい事情は後にして、とりあえず俺らが外の敵を壊滅させれば万事OKってことだ」
外から見えないように壁に一列に並びながら真ん中のジョットが呟く。全員がコクリと頷くと同時に腰を僅かに浮かせた。
「それが一番手っ取り早いというか、俺ららしいというか…」
一樹がニヤリと笑ってジョットに視線をやる。
「とりあえずあれでしょ。ヘリをどうするかでしょ」
泰夫が相変わらず眠そうな顔で同じくジョットを見る。
「そうなんだよなぁ…俺がやると中の人たち殺しかねないしなぁ…」
「俺の持ってる銃じゃさすがに無理だぜ?」
「刀もさすがに…」
「針も無理」
「幻覚だと最悪校舎に突っ込まれるかも…」
「僕モ流石ニ届カナイヨー!」
「ってことで俺がやればいいってことかな」
うんうんと一人頷く泰夫に全員の視線が集まる。少なくともジョットの目には驚きの色が浮かんでいた。泰夫が式紙以外を使って攻撃をしているのを見たことがない。しかし他のメンバーは泰夫の発言に驚いている様ではあっても、言葉の内容に驚いているわけではなさそうだった。
「じゃあ、任せるぞ」
「オーライ」
そう言うと同時に泰夫は立ち上がった。
「はっ?」
固まるジョットを余所に、泰夫は窓をガラガラと開けると窓の桟に足をかけて外に飛び出す。突発的すぎる展開に思考がついていっていないジョットを、隣にいた隼が首根っこをひっ掴んで立たせた。
「何ボサッとしてるんですか。行きますよ」
「は?え?」
あれよという間に隼に抱えられて間抜けな声を出したジョットだが、次の瞬間自らも窓の外に飛び出したのに気づいて一気に青ざめた。
「待って!待っ…ちょぉおおぉおぉおっっ!!」
まだ心の準備が出来ていないというか、作戦を全く立てていないというか、泰夫がどういった方法でヘリを落とすのか分からないというか…
「とりあえず俺は何をすれば…!」
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