忍者ブログ
Posted by - 2025.07.27,Sun
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Posted by なぎさ - 2010.06.28,Mon
そして午前9時。
ジョットの部屋には見慣れた面々が揃っていた。

「よかったねジョット」
「あぁ、うん」

まさか全員時間通りに揃うとは思っておらず、ジョットは泰夫の言葉に半分呆けたまま頷いた。

「ちなみに信二と一樹はデートでもしてたのか?」
「してねーよ!」
「釣りだ釣り!!っていうかわざわざ中断してとんで帰ってきた俺たちに労いの言葉の一つもないのかよ!?」

悪意なく紡がれたジョットの言葉だったが、当の本人たちは怒りを露わにしてジョットの頭をひっぱたいた。
5分ほど前に、どうやら一緒に釣りをしていたらしい信二と一樹が帰ってきて、部屋には無事に全員が揃った。
そして今、時計の針は約束の9時を告げようとしている。

「で、話なんだけど…」

二人にひっぱたかれた頭をさすりながらジョットが口火を切る。

「みんな、イタリアに一緒に来てくれないか?」
「「「「「「・・・・・・・・?」」」」」」

いきなり発せられた“イタリア”というワードに全員がかたまった。

「ワ、ワンモアプリーズ…?」
「だから、俺と一緒にイタリアに来てほしい」

おそるおそる言った一樹にもジョットは真顔で即答する。
ついでに一樹の手を握って。

「何コレ。俺口説かれてんの?」
「ああ、口説いてる」
「ちょっ、肯定かよ!?」

赤くなったり青くなったり色々と忙しい一樹を横目で見ながら、今度は泰夫が口を開いた。

「ちゃんと詳しいこと言ってくれないと分からないんだけど。イタリア来いってことは、ジョットが前に言ってたマフィアになれってこと?」

相変わらずぼーっとした顔の泰夫だが、目だけは真剣である。
ジョットは放心状態の一樹の手を放すと、改めて皆をぐるりと見た。

「…そういうことになる…かな。昨日の晩に、イタリアに残してきた屋敷があるファミリーに占拠されたって連絡があって………一刻を争う事態なんだ。すぐにイタリアに帰らなきゃいけない」

ジョットはそこで少し視線を下に落とした。
いきなりこんな話をされても困るだけだということは重々承知している。
それでも、ほんの少しでも望みがあるのなら、それに縋りたかった。

「そう、俺は…俺のファミリーになってくれってお願いをしてる。いきなりすぎることは分かってる…でも…」

一樹、信二、泰夫、サンサニー、髀子、…そして隼。
6つの視線がジョットに注がれる。

「俺は…おまえたちに惚れたんだ!」

強さに、とか、人間性に、という言葉が抜けたのが問題だった。

PR
Comments
Post a Comment
Name :
Title :
E-mail :
URL :
Comments :
Pass :   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
TrackBack URL
TrackBacks
カレンダー
06 2025/07 08
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
最新コメント
ぢゃMMD!(返信済)
(09/28)
(09/15)
ちびミクさん(返信済)
(09/07)
(08/28)
(08/21)
ブログ内検索
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
忍者ブログ [PR]