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Posted by なぎさ - 2010.06.07,Mon
何か言い残したことでもあるのだろうか。
先ほど隼が部屋から出て行って30分も経っていないのだからそれ
は考えにくいのだが…
そんなジョットの考えを知ってか知らずか、隼の視線はジョットを通り越して泰夫のほうへ注がれる。
あからさまに面白くなさそうな隼に負けじと泰夫もものすごく面白くなさそうな顔をしているのだが、あいにく隼のほうを見ているジョッ トからは泰夫は見えない。
ジョットは
「あんまり泰夫にガン飛ばすなよ」
と僅かに困ったような表情を浮かべるが、隼からすれば泰夫にガンを飛ばされているのだから少々理不尽な発言だとも言える。
隼は一瞬口を開きかけたが、その瞬間泰夫がいつもの表情に戻ったため唇を引き結んで泰夫を睨むにとどめた。

「隼はジョットの部屋で何してるの?」
「…家康くんと話をしたかったんです。二人で」

つい先ほどジョットが疑問に思ったことを泰夫がさらりと尋ねる。
『二人で』にやけに力が込められていたことから、やはり先ほどの話の続きがしたかったということだろうか。
そんなことをぼんやり考えていたジョットだが、不意に泰夫が「俺も、」と続けたため驚いて後ろを振り返った。

「ジョットと話がしたいんだけど。二人で」

隼のよりもさらに力を込められた『二人で』に、ジョットが些か目を丸くする。
なんだろう。
そのためにわざわざ早めに来たのだろうか。
なんだか険呑な空気が漂い始めたことにやっと気づいたジョットが慌てて二人を交互に見る。

「えぇと、二人ともお互いがいたら駄目な話なのか?」
「駄目」「駄目です」

同時にきっぱりと発せられた言葉がさらにジョットを追い詰める。

「えぇと、えぇと…ど、どうすれば…」
「…やっぱり俺はいいや」

しかし、その狼狽するジョットを見て哀れに思ったのか、もしくは別の意図があってか、泰夫がけろりと態度を改めた。
隼の訝しげな視線を真っ向から受け止めて、泰夫には珍しく、僅かに微笑んで…

「後でジョットと昼飯行く約束してるし。二人で。だからそのときでいい」
「!?」

衝撃を受けたような顔をしている隼を一瞥すると、泰夫はいつも皆で集まるときの定位置へと腰をおろす。

「家康くん聞いてませんよ!?」
「や、そりゃあ今さっき約束したばっかりだし。っていうかお前に報告する必要もないだろ」

二人で行く約束は別にしていなかった気もするが、昼御飯を奢る約束をしているのは確かである。
これ以上連れが増えて全員に奢る羽目になっても嫌なのでジョットはそういうことにしておこうと頷いた。
酷いです家康くんと泣き崩れる(ふりをする)隼。
それをめんどくさそうに見るジョット。
もはや我関せずとあらぬほうを見る泰夫。
そして大分収拾がつかなくなってきた部屋にさらに追い討ちをかけるように一人の影が飛び込んできた。

「家康ー!集合時間忘レッチャッタヨー!」
「サンサニー…」

筋トレが終わり、着替えも済ませたらしいサンサニーがドタドタと部屋に上げって来るのと同時に、今まで伏せっていた隼が顔を上げて叫 んだ。

「二人で話したいって言ってるでしょう!?出てってください!!
「帰るのめんどくさい」「帰るのメンドクサイヨー!」

二人ともこの部屋に約束の時間まで居座るつもりらしい。
数分後に、すでに寮への帰り道の途中で式神に会ったらしい髀子も部屋に顔をのぞかせその場に居座ったため、結局隼の願いが 叶うことはなかった。
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