Posted by なぎさ - 2008.09.01,Mon
リクエストいただいた、初代ツナです!!
・・・・すみません←みたいな話(もちろんケータイで描いた手抜き絵)なので、実は初代ツナはかなり少ないです。骸×ジョット多め(おまっ)
すすすすすみません!!しかも何故か復活学園ネタです。そして大いにネタバレを含みます。はっきり言って読まないほうがいいかもしれない品です(じゃあ書くなという反論は聞かないことにします、はい)
うーん・・・勘のいい方なら復活学園初代編の結末が分かってしまうかもしれませんねぇ・・・
とにかく、初代編が終わったことを前提に書いてある話なので・・・意味が分からないところが多々あると思います。
なのでアップはブログだけにしときますねっ;;また階段編終わった時に番外編としてサイトのほうにもアップしますので心置きなく放置してやってください。読まなくても大丈夫です(キラキラ


ただリクだけは消化・・・!ということで、リクくださった方、本当にありがとうございました!!!
個人的にはイマイチな出来です。すずらんには「ものたりない」とまで言われた品。
それでも読んでくださるのであれば、下のリンクをクリックしてくださいませ!!!
【僕は覚えている君はまだ知らない】
【僕は覚えている君は覚えてない】
【僕は知っている君はもう思い出せない】
聞こえる・・・・
声が・・・聞こえる・・・
知ってる?この声・・・
ううん、知らない・・・
でも・・・なんでかな・・・
自然に耳に入ってくる、聞き慣れた声・・・
・・・ジョット!
誰、ジョットって・・・
聞いたこと・・・ない・・・多分・・・
ジョット!!
まだ呼んでる。
俺はジョットじゃないよ。
綱吉。
沢田、綱吉。
ジョット!!
だから違うって・・・
「おいジョット!!」
「!!」
ツナは勢いよく顔を上げた。いきなり明るくなった視界に、
数秒して、やっと目の前で眉をつり上げる男に気づいた。
少し茶色がかった髪を後ろで一つに束ねている。そして、
「おまえなぁ・・・居眠りもたいがいにしろよ?
「・・・・?」
誰だろう。
何で自分が知らない男に叱られているのかさっぱり分からない。
「・・・なんだよ、そんな呆けた顔して。まだ寝ぼけてるのか?」
訝しげに顔を覗き込んでくる男をじっと見返す。しかし、
いや、でもどこかで見たことがあるような・・・
「どちら様ですか・・・?」
「っ!?」
目の前の男が目を見開く。・・・・
「大変だ!ジョ、ジョットが記憶喪失だーーーー!!
「??????」
目の前の展開についていけずに目を白黒させる。
「何?何?家康ガ記憶喪失!?ボクジャナイヨー!
「ああん?寝ぼけてるだけじゃねぇのか?」
「・・・・・・・・・」
黒人、目つきの悪い男、ぼーっとした男。
そしてある男が入ってきたところで、ツナは息をのんだ。
「骸・・・先生?」
「?」
「先生!いったい何がどうなって・・・」
泣きそうな顔でそばに寄ると、その男は呆けたように首を傾げた。
「・・・・どうしたんですか、家康くん。せ、先生・・・?」
〝あれ?骸先生じゃ・・・ない?〝
骸だと思って近づいたその男は、
しかし・・・知っている。
なかなか引っかかって出てこないけれど・・・知って・・・いる・
「何の騒ぎ?」
ドクンッ
最後に顔を覗かせた女に、ツナの心臓がはねた。
無表情だが、端正な顔立ちをしている、襟足の長い、
ドクンッ ドクンッ ドクンッ
「髑髏先生・・・じゃない。も、もこ・・・さん・・・」
「え?」
「っ!?」
その瞬間、ものすごい勢いでツナの頭に情報が流れ込んできた。
思い出した。
どうして、忘れていたのか。
彼らは・・・彼女は・・・・
「そうか・・・最初のは・・・一樹さん・・・」
「!?」
豆鉄砲を食った鳩のような顔でそこに立ち尽くしている一樹を見や
でも、どうして?
ここにいるのは初代ボンゴレのメンバー。俺が生まれる、ずっと、
混乱する頭を整理しようと再び先ほど座っていた椅子に座り直す。
〝俺、こんなに背高かったっけ!?〝
地面までの距離が遠い。握っていた手を開いてみる。こんなに手、
一気に血の気が引く気がした。
まさか・・・まさ、か・・・・
「鏡!鏡持ってないですか!?」
不意に叫ばれたことにビクリとした髀子だったが、
震える手でそれを開けけば・・・現実に愕然となった。
そこに写っていたのは・・・・初代ボンゴレ、ジョット。
「うそだぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁあああっっっっ!!!!!」
「・・・・ん・・・」
目を開けると見慣れない景色が目の前に広がった。
・・・教室。
そう、教室だった。
懐かしい・・・ついこの間まで自分がいたような気がする、教室。
しかし・・・違う。自分のいるべき場所とは・・・
「10代目!目ぇ覚めましたか!ジュース買ってきたッス!
目の前でパックのジュースを差し出す男をぼーっと見る。
誰だろう。
しかし自分に向けられる好意を無下にするわけにはいかない。
ニコリと笑うとそれを受け取った。
「ありがとう。悪いな」
「フブフォアアアァァアアァアアッッッ!!??/////」
いきなり顔を赤くして後ろ向きにひっくり返った男に驚いて椅子か
なんだろう。病気か何かが発病したのだろうか。
慌てて男を覗き込めば、彼は鼻を押さえながら悶絶している。
「じゅ、10代目ぇ・・・いっ、色気が・・・色気がぁっっ・・・
「・・・・?」
眉根を寄せて彼を見るが、謎は深まるばかりである。
色気?10代目・・・?
自分の名前は、10代目ではない。
「俺は・・・ジョットだ。おまえ、人違いでもしてるのか?
心配になったジョットは倒れている彼を抱き起こした。
とりあえず、保健室まで運ばなければ・・・
周りが目を丸くして見てくるが、時は一刻を争うかもしれない。
保健室の位置なら・・・知っている。
階段の踊り場にさしかかったところで、
「おい!どこ行くんだよ、獄寺どうかしたのか?」
「保健室だ!」
それだけ答えると、ジョットは男とすれ違って階段を下りた。
この倒れた男は獄寺というらしい。
というか、非常に重い・・・この男。
ジョットは保健室のベッドに、彼、獄寺を寝かせた。
額に浮かんだ汗をぐいと拭う。これだけの距離なのに、
ぐるりと保健室を見てみたが、どうやら先生は不在のようだ。
「
ドアを壊れるほどの勢いで開け、
ジョットは冷凍庫を開けたまま顔だけはそちらに向け、
「はや・・・ぶ、さ?」
「は?」
数秒お互いに固まったままだった二人だったが、
「隼だろ?おまえ、そんなに背高かったか?」
一歩ずつ距離を詰める。しかし、
まず、目の色が違う。目の前の男は青と赤のオッドアイだった。
「モモ・・・」
「っ!!」
男はピクリと肩をふるわせると、いきなりジョットの両肩を掴み、
青と赤のコントラストが目前に迫る。
「なっ」
「思い出したんですか、綱吉くん!?ど・・・し、て・・・・」
真剣な顔で自分を見てくる瞳に困惑は強まるばかりだった。
自分は綱吉ではない。この男が何を言っているのか分からない。
息がかかりそうなほど接近している顔に、そっと手を持って行き、
「おまえは・・・誰だ・・・?」
「骸・・・六道、骸です・・・」
見上げるようにしてそっと問いかければ、
しかし本人は無意識に言ってしまったようでハッとしたように身を
「むくろ・・・骨に、亥で、骸か」
頭の中で何かが繋がるような気がした。しかし、まだ、足りない。
「骸、おまえは、隼の親族か何かか?」
「・・・・・・」
骸は目の前の綱吉をジッと見た。違う。思い出したわけではない。
綱吉では・・・ない。
そうすると、これは・・・
輪廻の記憶の歯車が回り出す。
刻まれた記憶が溢れ出してくる。
ずっと、ずっと前に終わったはずの感情が・・・・
止まらない。
ガシッと両頬を挟んで引き寄せれば、
「相変わらずの天然タラシですね、家康くん・・・・」
ニヤリと笑えば、綱吉、
「はやっ」
「ジョットなんでしょう?ねぇ・・・」
空いているほうのベッドに押し倒せば、
押し返そうとするが、違いすぎる体格差がそれを許さない。
自分の身体ではない。自分はこんなに手は小さくないし、
皆の背が高いのではない。自分が、小さくなっている。
自分を見下ろす男を見上げれば、悲しそうに、
「な・・にが、どう、なって・・・」
「どうして、捨てていったんですか?あんなに、
「・・・・っ?」
「答えて、ジョット・・・・」
違う、隼では・・・ない。
「ジョット!」
モモ・・・?
・・・・・・・・・・違う・・・
「骸!!」
「っ!?」
ジョットの声に骸はハッとしたように身を起こした。
自分に対してかけられていた体重が消え、
その沈黙で、悟った。
困ったように目をそらす骸を見て・・・
それだけで、悟って・・・しまった。
「・・・・俺が死んでから何年経ってる?」
「さぁ?数百年です。細かい数字なんて数えたことがない」
自分がこれからたどることになる運命までも・・・
薄く悟ってしまった。
「そっか。俺じゃ・・・ないんだな・・・」
手首を両目に押しつければ、熱いものが伝わってくる。
無性に、悲しかった。
悔しかった。
そして、どうしようもなかった。
自ら視界を覆っていたジョットの腕をどかしたのは、
大きい。今の自分の手に比べたら・・・ずっと大きい。
腕が顔から離れると同時に、一筋の滴がジョットの頬を伝った。
「泣いてるんですか?」
「おまえにそう見えるのなら、泣いてるんだろう」
「・・・捨てたのは君だ。どれだけ傷ついたか、
「泣いたんだろうな」
「一日中泣いてました。ずっと、泣き続けてました」
「モモのほうが?」
「隼が・・・そう簡単に泣くとでも?」
そういう骸の顔は今にも泣きそうだった。
「最低だな、俺」
「そう思うのなら、変えてください、過去を。
「それが出来なかったから今おまえがここにあるんだろう?」
困ったように目を細めれば、
ジョットは上半身だけ身体を起こすと、
「これから何があるのか俺には分からない。きっと、
「それで髀子が納得するとでも?」
「おまえに言ってるんだよ。おまえは、モモじゃない」
「・・・・どこまで分かってるんですか、君は」
骸は上に乗っていたジョットの手をどかすと、
無理矢理上を向かされて少し眉根を寄せたジョットを気にもとめず
「ねぇ」
「さぁ?さっきも言ったが、
「言ってみてください」
「いやだ」
ふいっと視線をそらしたジョットに骸の目尻がひくりとなったが・
〝・・・変わりませんね、そのマイペースぶり・・・〝
本当にその想像した結末が当たっているのならば、
今はまだ、初代メンバーでボンゴレをやっているのならば・・・
しかし、その未来はそんなに遠いことじゃない。
あっという間に・・・彼を・・・
「君のその身体で耐えきれますかね」
ぽつりと呟いた骸の言葉に、
「そうだ。この身体は・・・」
「ああ、綱吉くんです。
「いろっぽ・・・?」
「会った瞬間に一目惚れですよ」
「・・・・そうか、よかったな」
ニコリと微笑めば、
どうやら嘘ではないらしい。
「綱吉くんの顔でそういう表情しないでもらえますか?」
「なんか妬けるな」
「は?」
怪訝そうな顔をした骸にニヤリと笑いかけると、
そのままかがんで耳元に息を吹きかければ、
「なぁ、骸・・・俺のこと、食・べ・て////」
「ちょ!
「ふぅん」
ニヤニヤしながら骸を見れば、
意外とかわいい。隼とは大違いだ。
「でも・・・なんか、よかった」
「何がいいんですか」
「未来は絶望ばかりじゃない・・・ん、だな・・・」
「これから君が味わうのは絶望だけかもしれませんよ」
「それでもいいんだ。今骸がここにいることは絶望じゃない、
「何百年後の話をしてるんですか、君は」
「・・・・さぁ・・・な・・・」
曖昧に微笑んだジョットだが、その身体が不意にぐらりと傾いた。
「ちょ、どうしたんですか!?」
慌てて自分の身体を起こしてジョットを抱き起こせば、
「なんだか・・・眠いんだ。ぼ~っとする・・・」
瞼が半分ほど閉じかかっている状態のジョットに骸は一瞬ぽかんと
「・・・・いいですよ、寝ても。
「忘れないよ。おまえと話して・・・いろいろ分かった」
「忘れてください。話しすぎました」
「忘れない。お前の名字、"六道"だろ?」
「・・・・忘れて・・ください」
「やだ・・・」
思い切り顔をしかめた骸だったが、
「あ、と・・・、・・・・愛して、る、から・・・」
それだけ言うと、ジョットはコトリと眠ってしまった。
あとには規則的な呼吸音が保健室に静かに響いているだけ・・・
「・・・・どっちにですか」
まぁ、決まってますけどね・・・そう口の中で独りごちると、
「面と向かって言われたのが今更なんてね。
開け放してあった保健室の窓から風が流れ込んでくる。
その風が優しく綱吉と骸の髪を撫でていく。
目にかかりそうな綱吉の髪を手でそっとどけてやると、
「まぁでも、絶対に・・・許してやりませんけどね」
「ほうほう。それで、
「そ、そうです」
「そんなわけあるかぁあぁぁああぁあっー!!
「ふっ、ふざけてなんかません!!」
守護者全員が集まる執務室。
しかし必死で一樹を説得しようとするツナの努力はどうやら実りそ
「おまえアレだろ!
「ひ、酷い・・・」
涙を浮かべて俯いてしまったツナに、
「な・・・泣いて・・・も・・・」
「アーア、泣カセター!一樹泣カセター!」
「っていうか演技にしちゃぁちょっと出来すぎてるだろ」
そう言ってツナのほうに歩み寄ってきたのは信二だった。
「んで?
「・・・・知ってたら苦労しません」
ぷーっと拗ねたように頬を膨らませて横を向いたツナに、
「ヤバイぜってぇジョットじゃねぇありえねぇ」
「ヤバイ俺不覚にも今ジョットを可愛いかもとか思ってしまった・
「いえ僕は実際にときめきました」
「ヤバイヨーヤバイヨー!」
「・・・・・・」
「おい髀子おまえも何とか言えよ」
「・・・・ジョットじゃない・・・」
そう呟くと、
「へ?え、わっ/////」
いきなり顔を覗き込んできた髀子に、
しかし、やはり見れば見るほど髑髏先生に似ている。ぽや~
「・・・キレイ」
「え・・・」
至近距離で頬を染めてそう言ってきたツナに、
〝こんな顔もするんだな〝
呑気にそんなことを考えていたツナだったが、
泣き崩れていた髀子。
そこに最後にいたのは・・・
〝言わないほうが・・・いいんだろうな・・・〝
きっともうすぐ彼女に・・・彼らに絶望が襲いかかるのだろう。
髀子は今幸せなのだろうか。そして、
分からなかった。
ただ、今、この瞬間は、少なくとも・・・
ただの恋をしている普通の女の子に・・・見えた・・・・
「ひとつ言ってもいいですか?」
「・・・・?」
放心状態から戻ってきた髀子は小さく首を傾げる。
きっとジョットも同じことを思うのだろうなぁと思いつつ、
未来は絶望ばかりじゃないと・・・信じてる。
「あのね、髀子さん。これから何が起こるかは言えないですけど・
だから・・・なんだろう。
髀子は許せるだろうか、ジョットを。
最後まで思い続けてくれるだろうか、ジョットを。
そもそも、髀子の幸せとは・・・いったい何なんだろう・・・
「・・・・なんでもないです。今言ったこと、忘れてください」
ツナは曖昧に微笑むと、書類が散らばる机の上へと突っ伏した。
なんだろう・・・
すごく眠い・・・
「どうしたの・・・?」
心配そうな声音が遠くに聞こえる。
ふと手に温かいものが触れた。
ぼんやりする頭のまま、手だけはギュッと握り返す。
だめだ、眠い。
「未来は・・・きっ、と・・・絶望だけじゃない、です・・・か、
意識が遠のく。
他の人が騒ぐのが聞こえたが、
沈んでいく。
深いところに・・・・・
沈んでいく・・・・・
「ここ・・・は・・・」
気がつくとそこは何もない世界だった。
浮遊感はないが、
色があるのかも分からない。
自分が息をしているのかも分からない。
そんな感覚。
ただ自分足下を見れば、自分の姿だけはしっかり認識できた。
再び360度ぐるりと見回す。
そもそもちゃんと360度回ったのかどうかも定かではないが・・
「綱吉」
「へ!?」
再び前方へ目線を向けると、そこには・・・
「じょ・・・初代・・・」
確かにさっきまではどこにも誰もいなかったのに・・・
悠然と微笑むジョットの姿があった。
目を丸くして凝視してくるツナに近づくと、
「はじめまして、だな。綱吉」
「あ・・・」
ツナの方は何度もジョットの姿を目にしていたが、
「へぇ・・・」
ジョットは小さく首を傾げると、
「けっこう、可愛い顔してるな」
「は!?」
思いもよらない言葉にツナがぽかんとなる。
「いや、はじめは俺に似てるかなぁとか思ったけど・・・
そう言って目の前で優雅に微笑むジョットに、
「全然・・・似ていない、です」
ジョットの方が背も高い。ルックスもいい。
何より、自分より、ずっと、ずっとかっこいいと思う。
拗ねたような顔つきになったツナに不思議そうにするジョットだが
本当に自分はこの人の生まれ変わりなのだろうか・・・
そんな疑問が頭をよぎってやまない。
この人がボンゴレを立ち上げた。
そして、守った。
そして、捨てた。
どれほどの苦労を・・・苦痛を、これから味わうのだろう。
全く想像できなかった。
受け継ぐことと、立ち上げることは全然違う。
ツナが見たジョットは、誰よりも気高く、誰よりも優しく、
今目の前にいるジョットからは、
ただただ純粋に、自分を見つめているだけ。
「・・・って、いつまで見てるんですか」
「あ、いや。うん。骸があれほどまでに絶賛する綱吉だからな。
「骸先生に会ったんですか?」
些か驚いてジョットを見返す。
ややこしいことにならなかったのだろうか・・・
「なんか・・・複雑な気分だ。すごく」
そこでやっとツナから手を離すと、
「骸は・・・おまえにゾッコンなんだなぁ・・・」
「は!?」
思わず顔が引きつる。
「・・・骸先生は・・・俺にあなたの面影を見てるだけでしょう?
「・・・・・」
じっとツナを見つめれば、ツナは居心地が悪そうに目をそらせた。
本当にそう思っているのだろうか。
実際に自分が迫っても・・・拒絶された。
骸が愛しく思っているのは、はじめはどうであったか知らないが、
「そうでもないと思うがな」
「へ?」
不安そうな顔で見上げてきたツナを思わずぎゅっと抱き寄せる。
ぎゅうっと自分の胸板に押しつければ、
可愛い。
「なんか妬けるなぁ」
「ふぇ?」
自分でもどちらに妬いているのか分からない。
しかし・・・どうしようもなくもどかしかった。
無性に・・・髀子に会いたくなった。
「・・・大きくなれよ、綱吉」
「ひゃあっ」
脇を抱えて高々と持ち上げる。あどけない顔を見上げながら、
どうして自分たちが時間を超えて入れ替わってしまったのかは分か
ただ、きっとそれは必要だったから・・・
自分の未来に必要だったから・・・
今、綱吉が生きているために必要だったから・・・
「難しいことは分からない。だが、骸に会えてよかった。
淡く微笑まれれば、ツナの心が何故かジクリと痛んだ。
「初代・・・負けないで・・・何があっても・・・負け、ないで・
ジョットがツナを下ろすと、
分かっている。ジョットは強い。負けない。
でも・・・
どうしようもなく、不安で仕方がなかった。
ぎゅうっと力をこめて抱きつけば、
「優しいな、綱吉は」
どうしよう・・・
泣きそう・・・
「・・・・そろそろ、時間か」
「え?」
涙のたまった目で見上げれば、
その身体が淡く・・・透けていく・・・・
ツナも自分の身体を見れば、薄くなっているのが分かった。
同時に意識まで薄れていく・・・
「ありがとう、綱吉」
最後にそんな言葉が聞こえた気がした。
意識がぼんやりと戻ってきた。
「ん・・・ぅ・・・・?」
うっすら目をあける。
天井が見えた。
どこだろう。ここは・・・・
なんとなく顔を横に向けて・・・
「っ・・・」
絶句した。
「起きましたか、綱吉くんv」
「っふ、わぁぁあああぁぁああっっ!!!」
目の前で、
本気で寿命が縮んだ気がする。
「むっ、骸先生・・・!!なっ・・・ん、で・・・」
「どうしたんです?君、ずっと眠ってたんですよ?」
「え・・・」
上半身だけを起こせば、骸がずいっと顔を寄せてきた。
「何か夢でも見てたんですか?」
「夢・・・そういえば・・・・」
「いや、君は覚えてない。そうでしょう・・・?」
「え?」
赤い瞳に吸い込まれる。
すべてが・・・
「・・・・・覚えてない、です・・・」
あれ・・・・?
首を傾げる。
今の今まで覚えていた気がするのに・・・
ぽかんとした顔で骸を見れば、
「きっと、思い出しますよ。来るべき時が・・・来たらね」
「起きてください、家康くん」
「・・・・・?」
「それともまだ家康くんじゃありませんか?」
机に突っ伏していた顔をのそりと上げる。
目の前にしかめっ面の顔。
「骸・・・じゃない・・・隼・・・?」
「誰ですか、ムクロって」
ああ、隼だ。
そう思って完全に起き上がった。
「可愛かったなぁ・・・・綱吉・・・」
「誰ですか、ソレ」
あからさまに不機嫌な顔で隼が睨んでくる。
それを軽く無視して部屋全体を見れば、
「みんなどうした?」
「おまえのせいだろアホーーーーーーー!!!!」
何故か一樹に思い切り殴られた。
殴られた頭を押さえつつ顔を上げれば、
ああ、会いたかった・・・
「ジョット・・・・?」
今の彼女は何も知らない。
今はまだ・・・純粋に・・・言える。
「今日も可愛いね、モモ」
【おわり】
‥‥……━★
ここまで読んでくださってありがとうございました!!!
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