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Posted by なぎさ - 2011.06.19,Sun

まだ全然書けてないけど序章だけ…
こんなお話にしたいな~っていう感じです。
絵はやっつけ。前に授業中に描いた落書きで仮トップみたいな…(苦しい)
うぅぅぅ、そのうちにちゃんと描きたいです…

【Attention!!】
・一応グリレ。
・一応ポケモンも出てくるけど完全に世界観違う。
・レッドが人間じゃない。
・レッドに狐耳が生えている。
・レッドが男になったり女になったりする。
・レッドが幼くなったりする。

以上のことがバリバリOK!!な方のみ続きからどうぞ~^^

 

5つ6つ 階段を上がって
3つ4つ 鳥居をくぐって
2つ 手を叩いて
1つ お辞儀をして

目を開けたら
ほら、そっと振り返って

「ただいま」

って━━━━






KOKO -狐子-






雨がしとしとと降っていた。
当然のことながら道行く人々のほとんどの人が傘を差している。
そんな中で、傘を差しながらも身体を濡らす少年がいた。

「…どうしたんだ、おまえ…迷子か?」

傘を自分から外し、斜め前に掲げる少年は心配そうにそう言い、道路脇にしゃがみ込む。
彼は気づかない。
周りの人が不思議そうに彼を見て、そして素通りしていくのを。
自分が濡れるのも構わずに、彼は傘を斜めに差したままニコリと微笑んだ。
綺麗にセットされた亜麻色の髪は雨に濡れたせいで崩れ、前髪は額に張り付いてしまっている。
しかし彼はそんなことは気にならないようで、身体の大半を雨に晒したまま次の言葉を続ける。

「お母さんは?家は分かるか?こんなところに立ってたら風邪ひいちまうぞ」
「…グリーン先輩、何してるんですか?」

いきなり声をかけられて、“グリーン先輩”と呼ばれた少年は驚いて後ろを振り返った。
しゃがんだまま見上げた先には、怪訝そうな顔をした高校の後輩がいた。
雨音のせいで、すぐ背後まで人が来ていたのにも気づけなかったらしい。
少年、グリーンは突然現れた後輩に若干戸惑いつつも、自分が傘で庇う先を指で示す。

「何って…この子が…」
「この子…?」

更に後輩の顔が困惑したように歪められたところで、グリーンはハッとなって自分が指で示した元の場所に視線を戻した

"いねぇ…"

「な、なんでもねぇ。じゃあな!」
「えっ、ちょ、グリーン先輩!?」

グリーンは慌てて傘を差し直すと逃げるようにその場から走り去った。




"うぅ…またやっちまった…"

グリーンは走りながらぐしゃぐしゃと片手で髪をかき回した。
ぽたぽたと、先程受けていた雨が水滴となって頬を伝い、顎まで落ちてくる。
それをグイと拭って、グリーンは足を止めると共に深く溜息をついた。

"そうだ…よく考えたらこんな雨の中にいたのに…あの子、まったく濡れてなかった…"

そう、グリーンには見えていたのだ。
道路脇にぽつんと佇む、5歳くらいの子どもが…
どうりで誰も雨の中に一人で立つあの子を気にも止めていなかったわけである。
あの子は…他の人には見えていなかった。
勿論、声をかけてきた後輩にも。
きっと周りの人には、グリーンが誰もいないところに傘を傾け、独り言を言う変な人に見えていたことだろう。
グリーンはもう一度大きな溜息をつくと、止めていた足を再開させた。
のろのろと歩きながら、先程の後輩の怪訝な顔を思い出す。
次に会ったときに、何とフォローすればよいだろうか。
アリが雨に打たれていて可哀想だったから、という理由を思い浮かべて、すぐさまそれを打ち消す。
どれだけメルヘンチックなんだ。
自分にツッコみながら、雨を含んでなんとなく重たいブレザーが明日までに乾くかなどということを今更気にし始めたグリーンである。



彼━━グリーンは異常に霊感が強い。
強すぎるため、彼には生きている者と死んでいる者の見分けが付かないということがしばしばある。
今回のが良い例である。
浮いていたり、身体の一部がなかったり、明らかに服装が今の時代と合っていなかったり、酷い怪我をしていたりすれば、あぁ、あれは霊だなと分かる。
しかし、今回のように風景に馴染んでしまっている霊に関しては、なまじリアルに見えるだけに見抜けない時があるのである。

"そういえば…なんか今日異様に霊が少ないような…"

グリーンはぐるりと周囲を見渡した。
いつも外は多種多様な霊で溢れかえっている。
それこそ、10歩けば霊に当たる、くらいに。
しかし、先程の子どもの霊以来、霊らしい霊は見ていない。
これはおかしい。
何か嫌な予感がする…
グリーンはとにかく早く家に帰ろうと足を速めた……のだが、次の瞬間に再び足を止めることになった。
いきなり頭上に差した影。
反射的に顔を上に向ければ、自分のほうに向かって何かが物凄いスピードで落下してくるのが見えた。

「…へっ!?」

これはあれだ、間に合わない。
みるみるうちに視界はその落下物で覆われ、固まってしまって避けることも出来ないグリーンは見事に全身で以てそれを受け止めることになった。

「ぐえぇ!?」
「っ!」

予想通りの激突の衝撃を受け、その勢いのままに地面に押し潰される形になったグリーンは、一瞬飛びかけた意識をなんとか繋ぎ止めて、地面と落下物とのサンドイッチ状態のまま恐る恐る視線を背後にもっていった。
まず見えたのは、漆黒の黒髪。

"ひ、人…?"

と、その黒髪から生える、獣耳。

"…いや、いやいやいやいや……"

グリーンは落ち着いて瞼をおろした。
ない。獣耳とか、ないない。
人にはそんなものはついていない。
今のは見間違いだそうに違いない。
ゆっくりと一つ深呼吸をして、再び瞼を持ち上げる。
目の前で、獣耳がピクピクと小さく震えていた。

「いや、ねぇって!」

思わず心の声が実際に出てしまった。
偽物なのか!そうなのか!そうだろ!?とそのふさふさとした耳に手を伸ばす。
…血が通っているように温かかった。
先程なんとか繋ぎ止めた意識が再び飛びそうになった時、その獣耳の主がいきなり顔を上げた。
鼻と鼻が触れそうなほどの近距離。
髪と同様、漆黒の双眼と目があった。
びっくりして身体を仰け反らせようとするが、上に乗られたままなのでそれも上手くいかない。
驚きすぎて言葉も出てこないグリーンに対して、その獣耳持ちも大きな目を更に見開いてグリーンを凝視していた。
お互いに見つめ合うこと数秒。
なんだかよく分からない緊迫した空気がお互いの間に流れる。
そこでグリーンはやっと気づいた。

"人間じゃ…ない…?"

目の前の、怖いくらいに整った顔立ち。
男にも女にも見える中性さを持っているが、とりあえず少年としておこう。
その少年の頭の上の人間では勿論有り得ない獣耳。
それらに加えて、このなんとなく人間ではないような雰囲気。
とすると霊の類だろうか。
そんなことを数秒のうちにぐるぐると考えていたグリーンだったがその少年がいきなり立ち上がったためグリーンも慌てて半身を起こした。

「離れて!」

その緊迫した声を聞いて、少年で合っていたと頭の片隅で思う。
…が、そんなのん気なことを考えている場合ではないということを次の瞬間悟った。
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